怖すぎる・・・

昨日読んだ本

「消された一家北九州・連続監禁殺人事件」豊田 正義/著東京: 新潮社」
消された一家―北九州・連続監禁殺人事件

天才殺人鬼松永太は、一家をマンションに監禁し、「殺す者」と「殺される者」を指示した。彼らは抵抗も逃亡もせず、互いを殺し合った…。7人が抹殺された史上最悪の密室事件を描く、衝撃のホラー・ノンフィクション。(図書館の内容紹介引用)

昨年に判決がニュースになっていたのでタイトル借りで図書館から借りてきました。
読んでいるうちに自分の感覚がとても重くなってきて引き込まれました。

巧みな話術で人を欺き引き込んでゆく松永という人物がもし自分のまわりいたらと思うと怖くて眠れなくなります。しかも殺人を自分の手で下すことなく監禁された人間達に殺させるように仕向けるというずるがしこさ。天性の詐欺師なんだろう。さらに繰り返される日常の暴力での支配、殴る蹴るだけでなく電気通電で監禁者たちを支配していたというのはナチス強制収容所を彷彿させられ背筋が寒くなりました。

監禁された人達が徐々に無気力になり松永に従ってゆく様子は著者がドメスティックバイオレンスを取材した観点から鋭い着眼点で事件を読み解いてゆきます。


しかし事実は小説よりもすざまじい。

逮捕される直前に結婚の約束で騙された女性は松永のつくとてつもない法螺話を全て信じていて今、潜水艦から君のために携帯電話をかけているっていうのも本当だと信じて疑わなかったそうだ。松永って法廷でも臆することなく堂々と松永劇場やったらしいから弁がたつんだろう。自分の許容をはるかに超えた壮大なウソって真実にすり変わるんでしょうかね。
なつかしの結婚詐欺師「ジョナサン・クヒオ大佐」も今イスラエル上空、戦闘機からあなたに電話かけてますって女性騙したらしいしね。クヒオ大佐生粋の日本人ってところがトホホ感あります。私も気をつけよう。