ハニワのいる日常

旅行に行くとお土産をつい買ってしまうのですが、ありきたりのものばかりで地方色がないものが多い昨今、なかなかこれだというお土産にめぐりあうことが出来ないですね。

そんなわけで誰も買わねーだろっっていうのを何故か選んでいる私がいるのです(笑)

ただそれがヒットしてしまうこともあるので世の中どう転ぶかわからないものですそんなヒット商品が「ハニワ(埴輪)」なのでした。

やつはうらぶれた温泉街のこれまたふるーいお土産物店のお土産の中にひっそりといました。暗い店内に5体のハローっ♪て感じというかセクシーポーズをとってお口ぽかんの植木鉢と同じ素材のハニワさんは昭和40年くらいで時を止めているかのように静かにおりました。

会社の社員旅行で取引先のお土産を買うてこいと上司に言われたはいいけれど、何も無いひなびた温泉街では何も見つかりません。那須塩原温泉だったので今考えれば素直に温泉饅頭買えばよかったのですが・・・そんなときにこのハニワさんとの出会い。運命を感じました。ハニワさんにときめいてしまってお店にあった5体を大人買いしちゃったんです。確か一個1000円くらいで20cmくらいだったと思います。貰った予算を全てハニワにつぎ込んだわけです。

まあ本当を言えば冗談土産ってやつで笑いを取るために同僚とこんなのもらったときの困った顔が見たいっていうのが本音でした。

それで旅行から帰ってきて取引先の人に配ったわけです。
新聞紙に包まれていたので中は見えないので5体のハニワさんとは知らせずに置いて会社に帰ってきました。しばらくすると先方から電話があり「なんじゃこりゃ」という反応を期待していたのですが、かけてきたのはその会社の係長の男性30代後半、真面目な人です。

「ハニワありがとう。可愛いよねー。机の上に飾って出かけるときはハニワに食事行ってきますとか札かけて各自の伝言版にすることにしたから」と何故か喜ばれてしまいました。
私が会社でゴジラフィギアに札かけて伝言板にしているのを見ていて面白かったからだとか。同僚はキティちゃんに札かけてました。

ハニワさんの新しい人生が出来たみたいでウケを狙っていた私もまあいいかなと思いました。5体のハニワさんは貰った人が転勤で移動をするときも連れて行かれて今はいろんなところにいるようです。新しく入った新人さんは自分のハニワがなくてどこで売っているのですか?と聞かれました。恐るべしハニワの魅力。

人から貰うお土産で困ってしまうもの多いですよね。ハニワさんはそういう分類に入ると思ったのですが・・・結果的には愛すべきものになってました。


いやげ物 (ちくま文庫)

いやげ物 (ちくま文庫)

そんな困ったもんを集めたのが敬愛するみうらじゅん氏のこの本です。ゴジラファンでもあり、確かゴジラの宣伝用着ぐるみを持ってきちゃったはず。師匠として心より尊敬いたします。

写真とコメントつきなんですが世の中にはたくさんの「いやげ物」が存在するようです。
作っている人ももう少し考えて作ればよいと思うのですがどうも消費者と生産者との感覚が微妙にずれていて暴走をしちゃっているものばかりです。まずは商品の企画段階でこれは自分がお土産にもらってうれしいのか?と小一時間考えて商品にすればよいのではないかと思います。まあそんな暴走があるがゆえに私たちはいやげ物で笑わせていただいているので暴走はあたたかく見守りたいと思います。

そうそう、みうらじゅん氏もハニワを愛しているようで氏の描くキャラクターで「ハニワのハニー」というのがあります。ハニーはとてもラブリーでキュート。ハニーと日常を過ごすことが出来たならどんなに幸せなことでしょう。

昔の旅のお土産の定番といえば絵葉書でした。

カスハガの世界

カスハガの世界

家の中を捜索したら一枚くらいはカスハガが見つかりそうです。こんな絵葉書を旅先からいつか友達にでも出してみたいもんです。

私が今欲しいのは誰かがハワイにでも行ったらカタカナでトロピカルに「ハワイ」って書いてあるTシャツです。旅行に行く人に何が欲しいか聞かれるといつもお願いするのですがなかなか見つからないようでマカダミアナッツチョコレートを頂いてます。