平山夢明のナイトメア・・・「東京伝説」

昨日で禁煙三ヶ月になりましたあ!
ここまでの道のりは長かったですねー。やはり喫煙が長年習慣としてしみついていたから一番大変だったのはその習慣を何に置き換えてゆくか?ということでした。おかげさまで幸いにも喫煙よりも楽しいこと、素晴らしいことをたくさんみつけることができたのでこの先も禁煙は続行してゆきます。

ということでセブン&ワイを周遊していたら見つけたので早速注文して取り寄せたのが大好きな平山夢明の「東京伝説 渇いた街の怖い話」です。東京伝説シリーズの最新刊です。

東京伝説―渇いた街の怖い話 (竹書房文庫)

東京伝説―渇いた街の怖い話 (竹書房文庫)

本の帯をちょっと見てみましょう。

「祟り」より「恨み」
「憑依」より「ストーカー」
そして、狂気に理由はない。
目に付いた、あなたが今夜獲物となる・・・・。


上手く東京伝説の世界観を表現しているなと思います。実話シリーズで一応、幽霊、心霊ネタの本なんですが、いつの間にか生きている人間の狂気の恐怖になっていてシリーズが進むごとのヒートアップしているという感じです。
以前にも何回かこのブログでも東京伝説は紹介しているのですが、後味の悪さに関しては天下一品!平山夢明ワールドの言葉のマジックによって狂気のリアリズムにくらくらして、はっと気がつくとその恐怖は自分の身近にあっていつ自分が話の主人公になってもおかしくないというのに気がつかされるわけです。

相変わらずお外の恐怖ではなくて、「家の恐怖」っていうのもたまりませんねー。外なら逃げられるけれども、本来安堵の場所の家での恐怖っていうのは本当に怖い・・・。一人暮らしをしていて恐怖に巻き込まれる話は私が不動産という仕事を生業にしているからでしょうが、すごくリアリティがあるんですね。「こんなのあるわけないじゃん」って思う人もいるかも知れないですがね、無いことはないと思います。
昔よりもそういう一人暮らしの女性(大抵は若い女性が被害者になるのですが)を狙った犯罪というのは悪質化、そして残酷化、狂気化しているのかもしれませんね。

この本を読み終えると蒸し暑い夜に窓を開けて眠ろうなんて気持ちにはならなくなります。幽霊よりも恐ろしいのはやはり人間なのかもしれません。