廃墟遊戯
一昨日の日記に清里の話を書いたのはきっとこの写真集を最近寝しなに眺めているせいでありましょう。だらーっと弛緩している禁煙鬱の頭には廃墟の写真は非常に心地よい@波を出してくれます。
- 作者: 小林伸一郎
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 1998/10
- メディア: ペーパーバック
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廃墟ってどんなイメージでしょうか?悲しみとか負のイメージが強いのかと思います。滅びと、終わりとか終焉のイメージを強く感じていたのですが、最近ちょっと見方が変わってきました。たとえば建物が植物に飲み込まれている写真なんかを見ると終焉ではなくて再生が始まっているんだなと思うんですよね。大好きな大型観光ホテルなんかの廃墟では夜毎に在りし日の宴が記憶の中で繰り広げられる甘美が時間が永遠に流れているわけですが、やはりそんな場所も少しずつ自然が飲み込んで入って再生が始まっているのですね。
アンコールワットやマヤ、インカのピラミッドのようにいずれこのたくさんの廃墟群も遺跡と化してゆくのはどれくらいの時間がかかるのでしょう。
戦争時代に作られた軍需施設や鉱山は今は少しずつそんな風格を持ちながらゆっくりと自然の緑に飲み込まれ土に帰り朽ちて行き、再生を始めているのかもしれません。
町おこしで作った全国にたくさんちらばるテーマパークや建築物は廃墟と化してまだ日が浅いですが、押すな押すなと後続の廃墟が出来ています。そのうちに廃墟に日本が飲み込まれるのはそう遠くないかも知れないなとふと思うことがあります。
廃墟とは訪れる人に問いかけるメメント・モリであり、またエロスとタナトスの甘美さを持ち合わせた空間なのだと思います。
廃墟を見て思うことは人それぞれ・・・。
軍艦島の写真集もおススメです。
NO MAN’S LAND 軍艦島 (Japanese deathtopia series)
- 作者: 小林伸一郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2004/01/27
- メディア: 単行本
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