怪しい空間へようこそ

見世物小屋っていうのは今でもあるんでしょうか?親の世代のころにはお祭りのときによく見世物小屋がたっておそるおそる中に入ると蛇女なんかがいたらしい。本の50.60年くらい前は見世物小屋っていうのは庶民のお祭りなどの当たり前の娯楽だったそうです。

日本怪奇幻想紀行〈4之巻〉芸能・見世物録

日本怪奇幻想紀行〈4之巻〉芸能・見世物録

を読んだら当事の見世物小屋の様子がかなりわかってきました。おどろおどろしい空間を作り出すプロ集団だったんですね。蛇女なんかもみんな人間が演じているのだけれど(当たり前か・・・)口上でお客をその気にさせ、パフォーマンスで納得させていくのは本当に凄いと思いました。
ネタを明かせばそれらのものが「インチキ」「作り物」なんですが、見世物小屋という空間の中でそこにリアリティが生まれるんですね。

見世物興行ってそんな人間がメインとなって演じるものかと思っていたんですが、他にも人形を作ってそれを見せて興行してまわるというものもあったとか。生きているような精巧な作りから「生人形(活人形)」といわれていたそうです。陰惨な事件などが起ったときにその事件を題材にとって人形を作りそれを見せて回っていたとか。三人の娘さんが川に飛び込んで死んだ事件の人形などはわざわざお腹にドジョウを入れるギミックをつくりジオラマの川に浮かべ鳥に食ませたという臨場感っぷりな見世物だったそうです。

生き人形といえば・・・稲川淳二さんの有名なあの怖い話が思い浮かべられますが、実際にこの本の写真にある生き人形を見ていると魂が宿ってもおかしくなさそうな雰囲気があります。

稲川淳二Presents 生き人形 [VHS]

稲川淳二Presents 生き人形 [VHS]

稲川さんの語り、口上っていうのはかなり大げさでオーバーアクションです。そして効果音の入れ方が絶妙なんですよね。見世物小屋の口上と重なります。この伝説の恐怖怪談、生き人形は怖いです。
何が怖いかっていえば、生き人形が自宅までくっついてきてしまって寝ている奥様のベッドの周りをぐるぐると凄い速さで回っていたってところ。見えない分、そして体験した奥様は怪異と気がつかいていなくて、人間の仕業だと思って稲川さんに語っているところですね。

大きな人形ってなんとなく怖いなというイメージがあります。外国のビスクドールのようなアンティークドールはそうでもないのですが、やはり日本人形は日本人のDNAがありますから怖いのです。動きそうな感じがします。
私が見た一番大きな一松人形はhttp://www.welcome.city.yokohama.jp/doll/で見たものだと思いますが、大きなガラスのショーケースに入っていて今にも歩き出しそうなリアリティがありました。もう10年以上前に見たのにいまだに記憶に残っているのです。人形の家博物館は今年で20周年だとか。ずっと工事していたのですが、リニューアルオープンしたのですね。ここには世界中の人形が展示されていて人形好きな私にはたまらないスポットですが、学芸員さんなどはこれだけの人形に囲まれると怖いだろうなと思います。
同じく、さいたま市岩槻区にある東玉の一松人形コーナーや雛人形売り場も壮観です。

見世物と少し違いますが、昔はお寺などで人魚や河童、鬼、天狗のミイラなどを説法の一部として見せていたとか・・・。
人魚といえば人魚の肉を食べて不老不死となった八百比丘尼が有名ですが、福井県の小浜地方での伝説ばかりかと思ったら何故か、さいたま市岩槻区にも八百比丘尼に関する史跡がいくつかあるそうです。
人魚の話で大好きなマンガといえば

人魚の森 (るーみっくわーるどスペシャル)

人魚の森 (るーみっくわーるどスペシャル)

この世界観つくりあげた高橋留美子は天才ですね。
童話はならば
赤いろうそくと人魚 (日本の童話名作選)

赤いろうそくと人魚 (日本の童話名作選)

同じ作品で酒井駒子さんの挿絵童話のものも素晴らしいです。
この人魚は欲に目のくらんだお爺さんとお婆さんに見世物小屋に売られてしまいそうになります。そして結末は悲しく・・・
人魚の物語って最後は不幸で終わるのは何故なんでしょうか。
有名なアンデルセンの人魚姫も悲劇で最後は終わっています。

写真は牛久大仏様です。
見世物興行で大仏様などを竹細工で作って興行するというものもあったそうでこれは現存していたら是非見てみたかったですね。

追加です。
見世物小屋が現在でも見られるそうです。
みたま祭りで日本に2つだけの見世物小屋体験 - Excite Bit コネタ
靖国神社の「みたま祭り」でのイベントで本年は少し前にもう終わってしまっているそうですが、是非体感してみたいですねー。