妖怪旅日記

妖怪をこよなく愛する人を敬意を評して「妖怪馬鹿」というそうです。いつかは私も妖怪馬鹿といわれてみたいもんです。私の尊敬する妖怪馬鹿、多田克己さん、村上健司さんの妖怪をめぐる旅の珍道中の本です。この妖怪馬鹿コンビの他に京極夏彦氏、荒俣宏氏、水木御大がからむんですから予想を裏切らない素晴らしい妖怪巡りの旅になっています。

図書館の解説より
水木しげる荒俣宏京極夏彦の妖怪最強トリオと、多田克己、村上健司の妖怪最悪コンビが繰り広げる妖怪珍道中記。京極夏彦描き下ろしの水木しげるパロディ妖怪漫画付き

私が多田克己さんのお名前を私が知ったのは国書刊行会 北斎妖怪百景の編者としてみたのが始めてだったと思います。天才北斎の描く妖怪は素晴らしく怖いです。そして、多田さんの丁寧な詳しい解説が素晴らしくてこの名前を記憶しました。※他には暁斎妖怪百景もおススメです。

北斎妖怪百景

北斎妖怪百景

今回の旅はしょっぱなから京都の広隆寺の奇祭「牛祭」のレポから始まります。牛祭はみうらじゅん氏の「とんまつりジャパン」でも取り上げられた異様なお面をつけた「摩多羅(またら)神」と四天王がお寺の周りを牛に乗って練り歩き、経文を読むというものです。摩多羅(またら)神と四天王のお面を被って練り歩くのですがこのお面がなんとも言えずにシュールでたまらないフォルムなのです。
http://www.uzumasa.net/koryuji/といえばあの国宝、弥勒菩薩半跏思惟像もある名刹です。

そして、妖怪といえば広島県三次市に珍道中は行ってます。
この本で知ったのが、あの私が大好きな「稲生物怪録」を題材にして漫画にしていたことを知りました。

木槌の誘い (小学館文庫)

木槌の誘い (小学館文庫)

稲生物怪録の舞台の広島方面の旅では稲生神社(この旅行中に稲生神社を後に取材した東雅夫氏がこのときに奉納された幟を発見することになります)そして国前寺で行われる年に一度の木槌の御開帳が行われる「稲生祭」に参加します。このの祭りに参加した様子の詳しい様子なんですが、お祭りの様子は厳粛で素晴らしいのですが、恐ろしいことにお祭り前日に村上さんの一言で触ってはいけない木槌を触れてしまったというエピソードはびっくりしました。妖怪馬鹿だからこそなせる業なのでありましょう。

そのほかにも京都の安部清明の地やいざなぎ流の高知県物部村の大祭のレポなども満載で楽しんで読みました。小松和彦さんの本も私はとても好きなのですが物部村のいざなぎ流の太夫の紹介をしたのは小松さんだというのを今回知りました。
物部村では過疎化が進んでいざなぎ流の継承者がいなくなる危機に瀕しているとか・・・。存続を祈るばかりです。

妖怪サークル「隠れ里」のレポもとても面白かったです。。東北への旅なので遠野物語の地を訪ね、座敷童の出る旅館に泊まり、岩手の名のおこりになった三ツ石神社を訪ね、締めは那須の金毛九尾の狐で有名な殺生石というものだったそうです。妖怪好きが集まるサークルなんて夢があってそんな珍道中はとてもうらやましく読ませてもらいました。

今日の写真は水曜日に行った烏森神社の狛犬なんですが、遠野には河童狛犬っていうのがおります。狛犬の頭が河童です(笑)
さすが河童といえば黄桜ってことで黄桜酒造のHPのリンクで河童狛犬が見れます。→ページが見当たりません|黄桜株式会社


黄桜の河童といえば小島功先生の描くセクシー河童が大好きです。