津々裏々化け生息マップ

この本も私の住んでいる上尾市立図書館で行方不明になってしまいました。
先日も本館の図書館にゆきましたら、返却時の本の点検がかなり厳しくなっております。返却した本を職員の方が一冊、一冊、点検をしていてから開放されました。書き込み、切り抜き、相変わらず、後を絶たないそうです。本の寿命を延ばすためにも借りた本は大切に扱いたいものです。
ということでこの本はるばる提携図書館の羽生市立図書館から遠征して我が家にやってきたのです。最近、遠征本が続いております。

お化け生息マップ、サブタイトル「大人が楽しむ地図帳」に魅かれて借りました。。妖怪や伝承などのフィールドワークは大人になってからするととても楽しいのです。
サブキャッチコピーの“雪女は東京出身?九州の河童はちょいワル?”というのは・・・ちょっと軽い気がしてこのおかげで実は借りようか迷ってしまっていたのですが、借りて正解でした。

第一章は関東VS関西ニッポン二大都市圏お化けマップと称して両地方の各地に生息する妖怪や伝承などを紹介していきます。
紹介する妖怪ことにそれにちなんだ、写真、錦絵、絵巻などの図版が満載でとてもわかりやすく楽しんで学ぶことが出来ます。
平将門のページでは将門の身体のパーツを祭っている神社の分布図などがあって関東各地に散らばっている神社に興味を持ちました。

安倍清明のゆかりの場所マップや清姫、橋姫、有名どころもしっかりと押さえています。

第二章は日本列津々浦々地方別お化け分布マップと題して北は北海道のコロポックルから沖縄のブガヤナなどその地方にしかいない個性的な妖怪を紹介しています。
遠野地方の紹介では「遠野物語」舞台になった地のレポと座敷わらしに会える宿「緑風荘」の紹介もあり、実際に泊まって福を授かった人の話も載ってます。座敷わらしに会うと福をもらえるのだそうです。会ってみたいですねー。

第三章は全国ネットのお化けたちお化けなるほどネットワークを称して、全国に散らばる伝承や伝説の妖怪を紹介。河童、天狗など、そして予言をする件やそのほかの紹介などもしています。
びっくりしたのはアズキ研ぎが全国に生息しているということでしょうか。
他にはいろんな地方の七不思議の紹介などもあります。

全国各地に妖怪は生息していますから、そのゆかりの地に行ってみる興味のとっかりになること間違いなしの一冊です。


作者は宮本幸枝さんという女性の方なんですが、妖怪に詳しく、またいろんな角度からの紹介はこれからの妖怪探訪フィールドワークに役に立ちそうです。

そうそう、妖怪ファンには堪らない催し物が帝都で開催します。

「化け物展」10月開催へ 人魚や天狗の“ミイラ”も
 天狗(てんぐ)や人魚のミイラと伝わる資料などを集めた「化け物の文化誌展」が10月から、東京・上野の国立科学博物館で開催されることになり、担当者が19日、“ミイラ”のエックス線撮影をするなど本格的な準備を始めた。

 開催は10月17日から11月12日までの予定。主に江戸時代から現代までの妖怪や化け物にかかわる史資料約100点を展示する。主催は同博物館と秋篠宮さまも参加している「生き物文化誌学会」。

 青森県八戸市博物館に所蔵されている天狗や人魚の“ミイラ”のほか、カッパ伝説に関する資料などもある。

 19日は、天狗と人魚の“ミイラ”を、東京・上野の東京文化財研究所にある最新式のエックス線で担当者が撮影、分析を開始。いずれも長さ30センチ前後で、1800年代前半に作成された人形とみられるという。

 天狗は胴体部分が鳥で、顔はサルのような動物の頭蓋(ずがい)骨部分に紙で細工していることが判明。人魚は双頭の木製で、尾の部分は実際の魚のうろこを使ったとみられる。エックス線撮影の写真も展示する予定だ。

 同博物館の鈴木一義主任研究官は「日本人のお化けへの興味の変遷や伝説にまつわる好奇心が分かってもらえれば」と話している。

(2006/09/19 19:10 更新)

国立科学博物館、公式HPはこちら↓
http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/ueno/