ナイトメア再び、平山夢明の恐怖

大宮東口のブックオフ105円コーナーにて発見しました。平山夢明の実話怪談話シリーズです。

「超」怖い話Δ(デルタ) (竹書房文庫)

「超」怖い話Δ(デルタ) (竹書房文庫)

超怖い話シリーズの一冊なんですが、幽霊やら霊にまざって不思議な話があります。ちょっと新耳袋のようなほのぼのしたのもあるなーと思っていたら最後の落としはやはり悪夢・・・平山ワールド満載の一冊です。
この中で怖かった話は
「臭くてやわらかいもの」
「でこっぱち」
「生熊」
そして・・・「タロじ」
この話を読んで部屋の中、外に落書きがないか探し回ってしまいました。意味のないと思っていた落書きが意味をなすとわかったとき、読み終えた後に背筋がスーッと寒くなります。今回のナンバー1

東京伝説―狂える街の怖い話 (竹書房文庫)

東京伝説―狂える街の怖い話 (竹書房文庫)

こちらは後味の悪さ満載です。幽霊よりも呪いよりも怖いのは生きている人間の狂気というお話ばかり。いつにもましてアンダーグランドの住人たちの姿が見え隠れしています。
アンダーグラウンドの住人たちというのは当たり前ですが、自分たちのすぐ近くにいるわけです。そして、ひょんなことからごく普通の生活をしているひとがそこに踏み入れてしまう落とし穴がたくさん潜んでいるということです。

私は不動産業界に勤めているので室内の話というのは大げさといわれてもとても現実的に感じます。部屋っていうのは密閉された空間でその中で起こっていることはわかりませんし、また自分でも思うのですが、ドア一枚で外部とつながっています。ひとり暮らしでその室内に誰かがいたとしたら?屋根や天井に誰かがずっと潜んでいたら?一番安らげる部屋(家)での恐怖が私はとても怖いのです。
実際に浴室のパネル天井のあたりを点検したらありえないものが見つかったという話は内装屋さんから聞いたことがありますし、空間のある天井ならば人がひそむことは江戸川乱歩の小説のようですが可能です。そして、自殺をするために見知らぬ人がわざわざあなたの部屋にやってくることもあるのです。灯油を被って・・・。

今回一番怖かったのは「犬女」ジャンキーの狂気によって姿を変えたプッシャー(売人)のお話。見えないマフィアの恐怖も合いまって背筋が寒くなります。
そして、一番切なくて泣けてしまったのが「プリンのおじちゃん」です。家賃滞納の債権回収をしている男性が出会った男の子の悲劇に涙が止まりません。
こういう話って案外多いのだろうなと思ってしまうのは連日の現実に起こる小さな子供の痛ましい死亡事故のせいでしょう。

もちろん、部屋の中の恐怖だけではないです。
車の下や料理店、踏み切りいたるところでも気は抜けないと思ってしまう現実的な恐怖と狂気に背筋が寒くなるのです。仕事の帰り道の暗闇が怖くなりました。


昨日、仕事帰りに整骨院に行きました。
混んでいたので待合室で待つことに、ふと、本棚を見ると漫画が何冊かあって「超」怖い話の漫画を見つけました。
もう4年も通っているのに本棚を見ることも初めてというか、その場所に本棚があるのを昨日、知ったのです。

漫画には平山夢明さんの序文がありました。
ここで加門七海さんの引用があって
「土地に癖がつく」
ああ・・・これあるよなと思った私です。

自殺者が何故か続くワンルームマンションなんかが都内にはひっそりと存在しているのですよね。
以前の人の残像意識や怨念やらの思念が自分の部屋に渦巻いているとしたら、見えないほうが良いのかもしれません。