化け物の文化誌展

10月17日(火)〜11月12日(日)まで東京国立科学博物館で開催されている「化け物の文化誌展」に早速行ってきました。

公式HP↓
http://www.kahaku.go.jp/event/2006/10bakemono/index.html

国立科学博物館に行くのは実に10数年ぶり…本館を只今、改装中なんですが、凄くキレイになっていて入り口からびっくりしてしまいました。
常設展の入館料500円で入れるので入り口にてチケットを買って早速入場します。

第一会場から進むことに。
入り口から既にあやかしオーラが漂っています。平日なので人もそんなに多くなくて暗めの照明の会場を散策開始。

まずはいきなり天狗のミイラです。30センチくらいの大きさなんですが、翼の羽も残っているしと天狗だなーと思わせる形のミイラです。少し壊れている部分もありますが良く保存されています。

他には天狗の爪(サメの歯だとか)や天狗の装束などもありました。

そして次は江戸時代に書かれたさまざまな妖怪や不思議な話を集めた書物の展示です。魚に足がついていたり、見たこともない想像で描いたあやかしの生き物が図鑑のように紹介されていました。
中でも顕微鏡を覗いてみた生き物はデフォルメされていて面白かったです。
妖怪のほかにも鉱物などの図鑑もありました。

そして、更に進むと百鬼夜行絵巻やさまざまな妖怪達を貼り付けた妖怪屏風が見えます。子供のころにみた妖怪図鑑などにも載っているメジャー妖怪からマイナーな妖怪まで実に生き生きと描かれているのです。
特設コーナーで百鬼夜行の絵を画面のタッチパネルで追うことが出来てこれは大きな絵巻を見るにはとても良い趣向でした。
横の展示には本物の百鬼夜行絵巻があるのですが、色合いといい実にいい雰囲気です。妖怪達が生きているそんな感じがします。

絵のコーナーにはなんと!月岡芳年の「和漢百物語」より2枚錦絵が出ていて感激しました。いい色合いの錦絵です。

そして最後のコーナーに行くと…人形のミイラとご対面。
双頭の人魚のミイラです。下半身は魚の鱗があって剥離が激しいですが、まさしく人魚のフォルムをなしています。他には肉なども展示されています。
人魚の肉というのは昔は珍重された薬だったとか。
このほかにもう一体人魚のミイラがありました。
ぽっかり開いた空洞の目が妙に大きくて不気味なミイラです。
最後に再現された河童の像と河童の手がありました。小さい小さい手です。

第二展示室に行きます。

こちらは妖怪学に貢献された井上円了柳田國男南方熊楠などの資料を展示、その中になんと、稲生物怪録の絵巻もありました!初めて見たので大感激です。

そして最後には実在する不思議な生物として3mを越える深海魚リュウグウノツカイや天狗の麦飯といわれる菌類などで終了です。

展示を見終えて妖怪、あやかしの生き物というのは昔から人々に畏怖されながら愛されてきたのだなというのをしみじみ感じました。
当たり前に昔は生きていたものだったのですね。

ミイラにエックス線を当ててという解明もしてしまいましたが、これはあくまでも科学の目なのでしょう。
今年の秋、一番のおススメ展示です。