ことば遊びの楽しみ

「竹やぶ焼けた」
「ダンスがすんだ」
上から読んでも下から読んでも同じ言葉、「回文」ですね。
すっかり忘れていたのですが、何年か前に課長島耕作でおなじみの漫画家の弘兼憲史さんがラジオで回文をすらすら作っているのを聞いて凄いなーと感心した記憶があります。
言葉で遊ぶことば遊びっていうのはとても面白いです。

駄じゃれ、掛けことば、回文、アナグラム…。日本語ほど盛んにことば遊びが楽しまれてきた言語はあるまい。幼い頃から多彩な遊びを愛してきた作家が、古今の傑作や自らの創作をまじえて、その豊かな世界へと案内する。

そんなことば遊びについて書かれたのがこの本。

ことば遊びの楽しみ (岩波新書)

ことば遊びの楽しみ (岩波新書)

調度、小松左京筒井康隆とホラーついていたので阿刀田高も久々に読みたくなりネットで調べていたらこの本に興味を魅かれて借りてしまいました。そこで出てきたのが上記の回文だったというわけです。
ことば遊びは日常会話にも溢れていていわゆる「オヤジギャグ」もことば遊び、そして洒落や比喩もことば遊びです。

いろはかるたの文句は子供のころに楽しみながら覚えていってしまうという素晴らしいことば遊びです。いぬも歩けば棒あたる、ろんより証拠、など今でもいえますよね。
以前にテレビで群馬県に昔からある「上州かるた」の文句を若い子たちがすらすら言っていてびっくりした記憶があります。今でもしっかりとことば遊びの文化として根付いているのですね。どうも埼玉にもさいたまかるたなるものがあるそうな・・・全国的にあるのかもしれません。

そして、回文と来てアナグラムアナグラムを覚えたのなんだっけなと思ったらなんとあの「ノストラダムスの大予言」という迷著からでした。ノストラダムスアナグラムによって秘密を隠しているというもので小学生のときに夢中になったものです。回文は漢字もオッケーならば「山本山」もそうですね。
早口ことばは今でもいえるかな?「なまむぎなまごめなまたまご」「となりのきゃくはよくかきくうきゃくだ」「すもももももももものうち」「とうきょうとっきょきょかきょく」などそういえば、ドリフの早口ことば70年代に大ブームになったこともありました。

日本語はことばを構成する音の数が少ないそうです。日本人は68の音を聞き分け発音しているそうです。英語や他の国のことばはもっと音があるので同音異義語少ないのですが、日本語はひとつの音を幾とおりにも使いこなすことになるので必然的に同音意義語が増えてしまうそうな。そんなわけで駄洒落などのことばが出来るそうなのです。
とするならば、オヤジギャグって世界に誇ることば遊びですね。
日本語ってほんとに面白いなと思います。

電車通勤の頃に吊り広告で[AERA]の記事にひっかけた駄洒落の一文が大好きでした。いらいらしているときにふと見る脱力するような見事なオヤジギャグ・・・読んでるとあまりのくだらなさに思わず顔が緩んでブッと笑ってしまうのです。最近は電車通勤をしなくなってしまったのですが、たまに電車に乗ったときに見かけると妙にうれしくて含み笑いをしてしまう私です。