「超」怖い話Ζ(ゼータ)

BOOK OFF行田店に行ったときに見つけたものです。
書店、図書館、古本屋と並行して平山夢明氏の本を見つけるとつい手にとってしまう私はもうすっかり立派な「怪談ジャンキー」です。
幽霊などの怪異のおこるいわゆる心霊ものとはちょっと違った怖さがそう、生きている人の怖さが怪談ジャンキーにはたまらないのですね。

「超」怖い話Ζ(ゼータ) (竹書房文庫)

「超」怖い話Ζ(ゼータ) (竹書房文庫)

私は不動産会社勤務なので最近メディアをにぎわせる居室内にて頻繁におこる凄惨なバラバラ殺人事件を見ていると不謹慎ながら賃貸物件だったりすると入居者募集で後々、管理会社大変だなーとか、一戸建てなら価値下がりまくりだろうなといらぬ心配をしてしまうわけです。人が死んだ物件というのは価値が下がってしまいますから。そして人の口から口へと事件が伝わりやがてものすごい心霊物件と生まれ変わっていることもしばしばあります。
どこで死んだって、殺したって一緒でしょといわれても賃貸だと、補修費用やら高額な金額がかかりますんで連帯保証人や遺族もやっぱり現実問題として請求が発生しますから残された人にも迷惑をかけます。私は幸いなことにそういう亡くなった物件は見たことないですけれど、いつそういういわくつきの物件に遭遇するかこの生業をしている限りわかりません。
そういえば、内装業者の人はユニットバスの天井フタやトイレのタンクを開けるが怖いと言ってました。たまにとんでもないものにでくわすことがあるからとか。注射器と白い粉末とか・・・。

例えば、ある同じマンションの部屋で歴代の入居者が立て続けに事故死、自殺で亡くなる部屋があったとしたらそれは心霊ならばよばれているということになるのでしょうが、その室内のどこかに意図的に呪術により呪いがかけられていて住んだ入居者がいけにえとなっているとしたら?それは幽霊よりも呪いをかけた人間のほうが怖いに決まってます。
無差別殺人ですよねぇ。そんな呪いマンションといえば霜島ケイさんの体験で有名な「三角マンション」でしょうが、今回の「超」怖い話にもそんな呪詛マンションの話「裏鏡」が載っています。緩やかに呪いによって死に近づくのが怖い話です。
そして、もうひとつは「方法とその効果について」憎い上司を呪おうと思って思いつく限りの呪いの方法で人形に呪詛をこめたら本当に満願成就してしまった話。これも怖いです。
やっぱり幽霊よりも心霊よりも人間って怖いなと思う2話でした。

私は神社めぐりが好きなのですが、「願解き」という話で自分が気づきをしたという・・・。
地元で有名な大きな神社に祖母が産まれてくる孫のためにお百度に近い祈願をして無事に孫が誕生。喜びの余り御礼を忘れてしまい、何十年後に神社の眷属達が借りを返せと孫に罰を与える。そのことを知った孫が神社にお酒を持ってお礼参拝をして一見落着する話です。
神社って満願成就したらお礼に行かなくてはいけないのですよね。
これを読んで昨年、大宮氷川神社に禁煙祈願をしてお礼に行っていなかったことを思い出した私は慌てて先週の休みの日にお神酒を持ってお礼に行ってきたのでした(笑)
怪談ホラー本を読んでいてハッとさせられるというのも面白い話ですよね。
この話も幽霊が出てくるとか心霊ではないのですが相手は「カミ」やはり怖い話です。


霜島ケイさんの「三角マンション」は下記の記事にて関連書籍を紹介をしています。
http://d.hatena.ne.jp/monksiiru/20060616
http://d.hatena.ne.jp/monksiiru/20060924