吉見百穴

以前からずっと行きたいと思っていた吉見百穴に水曜日に行ってきました。
埼玉県の北西部にある東松山市となりの比企郡吉見町にあるなんとも不思議な遺跡なのです。

データ  吉見百穴(よしみひゃくあな)
開館時間 8時30分から17時
回覧料  大人300円 子供200円
住 所   埼玉県比企郡吉見町

大きな無料の駐車場があるので車を止めて入り口に行って入場料を支払います。入り口を入ると見えるのは不思議な穴の開いた断崖絶壁。
これが吉見百穴なのです。

この日はメンテナンス中だったようで作業のトラックや作業員の方がたくさんいて敷地内の整備をされていました。

早速中央通路から階段を登って頂上に向かいます。かなり急な階段の途中途中にまるでハチの巣のような四角い穴が掘られていますが、これは古代人たちの墳墓といわれています。墳墓が作られたのは6世紀終わり7世紀の終わりくらいだそうです。横に掘られた穴に死者を横たえて安置していたそうで埋葬されたのは高貴な人々、豪族や渡来人だと考えられています。全部で219基の墳墓がこの吉見百穴にあるそうです。

墳墓の形もさまざまでカマボコみたいな形や台形や四角など上にいけば行くほど大きな穴になっています。かまくらみたいなドーム型の内部の墳墓もありました。

墳墓を見ながら頂上にたどり着くと絶景の秩父連山が見える景色が広がっています。右手には松山城がかつてあった小山も見えました。

地上に下りてゆくとひとつの墳墓の入り口に柵があって覗くと中に緑色の植物が見えます。これは「ヒカリゴケ」なのです。山岳に生息する植物のヒカリゴケが何故か吉見百穴の墳墓内に自生しており、極めて貴重なものだそうです。

吉見百穴は古代人のロマンを感じる遺跡なのですが、もうひとつの顔を持っています。それは第二次世界大戦当時に軍需工場として利用されたという過去があるのです。

その面影は今も残っており、崖の下の部分には蟻の住処のように直径3メートルのトンネルが掘られているのです。さいたま市にあった中島飛行機工場の移転をこの吉見百穴にするという移転計画で終戦前に作られたそうですが、実際に稼動することはなく終戦を迎えたそうです。トンネルの長さは見学できるコースの他にも奥にずっと続いて10倍以上はあるといわれています。

見学を終えた後に売店「発掘の家」にて絵葉書を買い求めました。
売店のお兄さんによると桜の季節や緑の溢れる季節の吉見百穴の景観も素晴らしいそうです。

横穴墳墓などに興味をもたれましたらこちらにも行ってみてください。
さいたま市大宮区にある「埼玉県立さきたま史跡の博物館」にて3月18日まで特別展示で「吉見の百穴と東日本の横墳墓」の特別展示が行われています。http://www.sakitama-muse.spec.ed.jp/top-page/home.html

吉見百穴は明治時代の発掘調査ではコロボックルの住居という説が浮上。残念ながら実際には古墳だったのですが、ロマンのある見解ですよね。