岩室観音と松山城跡

巌窟ホテルの隣にもまた不思議な建造物があります。
崖の間にある観音堂、岩室観音です。
弘法大師がこの堂に観音像を納めたのが由来。松山城の落城のおりに消失してしまったものを1661年から1663年に再建したものです。お堂の作りは縣造り様式で江戸時代のものとしては珍しいものだそうです。
ここ岩室観音は「比企西国三十三所観音札所」の第三札所で遠隔地を巡礼できない人々のためにつくられた札所であり、現在、三十三札所のうちに現存しているのは12箇所だけとなっています。

観音堂のには八十八体の観音像が納められています。かなり傷みが激しいものもあり顔が欠落しているものなどもありましたが、祈願の紙片などがたくさん貼り付けてあり信仰の高さを物語っています。

お堂の横を見ると胎内めぐりもできるようです。
お堂の上に向かう急なはしごがあり、上がるとそこは舞台になっており、観音様が祭ってある前には足の形がありました。説明を読んでみると木の箱の下に四国八十八箇所のお砂が納めてあるのでその上に乗れば八十八箇所巡礼と同じ功徳があるとのことなのでありがたく乗せていただきました。

観音堂を裏手から見てみました。清水の舞台と同じ様式というのが良くわかります。しかし、この断崖絶壁にお堂を作ったというのは凄い技術だと感心してしまいます。

岩室観音の上に松山城跡があるというので山を登ってみることにしました。観音堂からショートカットで道なき道を野猿のように登って山頂に到着すると、松山城の本丸がかつてあった場所の名残と板碑がありました。
この場所だとかなり先まで見渡せ、丘陵ならではの複雑な地形は城の場所としては最適であったと思われます。

帰りに道があったので降りてみたらちゃんとした松山城跡山頂までの道がありました。
ショートカットは水があったりするのでこちらを使ったほうがが良いと思います。