歌人、さだまさし

AMラジオ大好きな私がこよなく愛するパーソナリティにさだまさしさんがいます。文化放送の伝説の番組、セイ!ヤングを小学生のときにはじめて聴いたときの衝撃は忘れられません。関白宣言が流行ったあとだから80年代の初頭だったと思います。当時は押しも押されぬ大人気で映画『翔べイカロスの翼』では主演を演じ、主題歌は「道化師のソネット」でしたよね。今や道化師のソケットと化していますがなかなかの名演技でした。
その後に「長江」って映画を作り大借金こさえて当時で30億円!それを完済したというのもすごいお人です。生々流転って曲が主題歌でこの曲も好きな曲です。穏やかな人となりの裏にかなりの紆余曲折の人生のお人でもあります。
それをネタにしてもイヤミや愚痴にならないのがさだまさしの人柄の良さなのでしょう。

さだまさしのしゃべりは以前どなたかの文章で読んだ記憶があるのですが、落語だから面白いというのがあって、うんうんそうなんだとうなづいた思い出があります。安心して聞けるシャベリの人でエピソードの一つ一つに必ずオチがあり、叙情があり、詩的であり、涙と笑いが盛り込まれている実に日本的な春夏秋冬のようなトークなのですね。そしてあの独特の語り口だから飽きないのだと思います。

さだまさしフリークとなり早ウン十年、さだまさしのライブってどんなもんかいな?と思って今から5年前に2回ほど行ってみたことがあります。。噂どおりの落語のような面白いトークで曲よりもトークの方が長かったです。お腹抱えて笑い転げるわ、ほろりとするわとまさに一人芝居状態。凄く面白かったです。たしか3時間半くらいの時間だったと思います。
ダスキン呼ぶなら100番100番」を生で聞けて大感動しました。歌はホントに上手いですね。アコースティックギターをつまびきながら歌う叙情的な曲の数々は情景が目に浮かぶようです。

「フレディもしくは三教街〜ロシア租界」という曲をライブ聴いたのが一番印象に残っていて、まさに情景が目の前に浮かぶようなこの曲から映画が一本撮れるくらいの凝縮したストーリーが素晴らしい名曲でした。戦争という運命に翻弄されていった二人の男女の愛の歌です。聴いていて思わずラストの盛り上がりで涙が出てしまったくらいに感動しました。

さだまさしLIVEベスト

さだまさしLIVEベスト

いまもふと何かの折に聴きたくなる一曲です。