河鍋暁斎記念美術館
先日行った北浦和近代美術館の澁澤龍彦幻想博物展の展示に河鍋暁斎の百鬼夜行がありました。澁澤龍彦 幻想美術館 - monksiiru(もんくしーる)の日記
躍動感溢れる妖怪達の姿は間違いない画力から成り立っているもの。暁斎の天才的なデッサン力は若冲、北斎と並んで展示されていましたが決してひけをとっていません。
幻想美術展を見た後に図書館に行ったら「夢の博物館」という澁澤龍彦の本を発見。
- 作者: 澁澤龍彦
- 出版社/メーカー: 美術出版社
- 発売日: 1988/07
- メディア: 大型本
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調度、今仕事で西川口に週に何回か行っているので近くにある河鍋暁斎記念美術館に行ってきました。
http://www2.ocn.ne.jp/~kkkb/Kyousaij.html
住宅街にある暁斎の子孫の方が館長をしている美術館です。暁斎の作品はここにたくさんあるので企画展示もテーマごとに入れ替えがあっていつ行っても飽きません。
物語絵−神話・御伽噺−」展 4月1日(日)〜4月25日(水)
河鍋暁斎、そして娘の暁翠は、たくさんの物語絵も描いています。日本の神話やお伽話、そして中国の伝説。今回は、暁斎、暁翠の下絵を中心に、『古事記』や『日本書紀』に登場する英雄たちの物語、「浦島太郎」や「桃太郎」「舌切り雀」、そして「大江山の酒呑童子退治」、中国の「二十四孝」など、よく知られた物語を描いた作品を展示します。暁斎筆「伊邪那岐と伊邪那美」(掛軸)、暁斎筆「文昌星之図」(掛軸)、「日本武尊の熊襲退治」(下絵)、「桃太郎鬼ヶ島退治の図」(掛軸)、「大江山鬼退治」(掛軸)、「浦島太郎」(画帖)ほか
第一展示室には日本書紀の神話の神々の物語を確かなデッサン力で描く暁斎の下絵からはじまります。筆一本で衣のたなびきどまるで生きているかのように描く技量に圧倒されます。
「日本武尊の熊襲退治」の迫力は下絵とは思えないほど。「伊邪那岐と伊邪那美」は正反対の穏やかさです。そのほかにはお馴染みの日本昔話の舌切り雀、桃太郎のもどこかユーモラスな表現で描かれていて面白かったです。
第二展示室には浦島太郎がありました。下絵ですが亀のデッサンがそれはそれは見事です。暁斎は生き物を描くのが本当に上手いなといつも思います。そして牛若丸の錦絵は三枚続き、大迫力の天狗と牛若丸、色鮮やかで素晴らしかったです。
暁斎と娘の暁翠が同じ題材で山姥と金太郎を描いているのですが、暁斎は老婆、暁翠は若い女性という表現で面白かったです。暁翠も暁斎に劣らず素晴らしいデッサン力の絵師でたくさんの作品を残しています。
最後の展示コーナーには中国の故事を描いたものが展示されていました。こちらもやはり下絵だったのですが、デッサンが凄いなとただ感心するばかりのできばえのものばかりでした。
ここは入館料が300円と安いですし、のんびりと展示作品を見ることができるので私の大好きな場所のひとつです。