大食いたちの宴

大食いたちの宴

大食いたちの宴

人はなぜ大食いを競うのか!「日本人フードファイター小林尊がホットドッグ早食いコンテストで今年も優勝(現在6連覇中)。彼こそが大食い競争をメジャー競技に変えた。」大食い競技者のトレーニング方法や戦略、競技の後遺症、様々なコンテストの裏話から「脂肪のベルト」理論まで、世界大食い競技連盟(IFOCE)の活動を軸に、大食い競技のすべてを明かす。

アメリカには国際大食い競技連盟(IFOCE)という団体があるそうな。日本で馴染みのあるアメリカの大食い大会といえば、毎年行われるネイサンズ ホットドックの大食い大会でしょうか。ここ数年日本人のフードファイター小林尊さんが優勝をして話題となります。

陽気なお祭り騒ぎの国アメリカ、大食い大会はホットドックだけではありません。ありとあらゆる食べ物の大食い大会がアメリカ全土で行われてグラジエーター(フードファイター)達がサーキットをして競い合っているというのです。著者はそんな大食い大会の司会をしてサーキットを回っている人なので舞台裏から大会レポまで生の大食い大会の現場の真実を全て明かしています。

さすがアメリカと思えるのはグラジエーター一人ひとりがプロ意識があるのとエンターティナー性をもっていて各自のキャラクターをきちんと演じてショーアップをして観客を喜ばせていること。大会の盛り上がりも朝から晩までの観客も飲めや食えやのアメリカ的でまさにお祭り騒ぎ。もともと独立記念日になると大食い大会のイベントが行われていたという素地をもつからこそ、陽気な国民的な大会、お祭りと認識されているのでしょう。

そんな大食い大会でのチャレンジ食材はホットドックやミートパイ、チキンウィング、タコスやアイスクリームなどにとどまらず、マヨネーズ、バター、オニオン(そのままですよ・・・おえぇぇ・・・)なども大食いを競うのです。凄すぎ・・・
こういった過酷なレースを読んでいると大食いとはスポーツであるというのもうなづけてきてしまいます。実際にグ゙ラジエーターたちは日々の胃袋や精神面を鍛えるために鍛錬も忘れずにしています。
そんななか最強戦士列伝の中に日本人の紹介もたくさんしてあるのがとても嬉しかったです。日本でもお馴染みのプリンス小林尊さんや白田さん、赤坂さん、新井さん、懐かしい伊藤織枝さんや中島さんなどなど・・・アメリカでも日本人クグラジエーターの存在は脅威となっているのだとか。今の一番の脅威といえばやはりホットドック競技の記録保持者、小林猛さんでしょう。独占インタビューが掲載されていていかに彼が大食いという競技に対して真摯にストイックに取り組んでいるかがわかります。

そういえば何年か前に日本でも大食いブームがありました。テレビ東京の大食い大会からTBSの「フードファイトクラブ」までたくさんの番組があったのですが、真似をした中学生が大食いをして死亡するという事故により全ての大食い番組が姿を消してしまったのは記憶に新しいところです。この本でも書かれていますがアメリカでも事情は同じようで一番恐れているは競技中の事故なのだそうです。一度でも事故が起こればサーキットは終焉となってしまいますから細心の注意を払っています。日本事情で喜ばしいことは一人の小さな若い女性の登場により最近また大食い大会が復活していることですよね。

大食いの魅力ってなんだろうと思うとやはり見ていて気持ちが良いということですよね。ちまちま食べているのではなくて豪快な食べっぷりというのは実に気持ちの良いものです。食べる姿まさに鯨のごとし。たくさん食べられるというのはつい最近まで人類の夢でした。余裕があるからこそ豊かな食べ物があるからこそ味わえる祝宴というのも人々は無意識の中で感じているからエキサイトするのかもしれません。
読後にはそんな観客たちの夢をも食い尽くす底なし胃袋のグラジエーターたちを心から賛美してしまいます。

読み終えて無償にネイサンズのホットドックが食べたーいと検索したら新宿にあるそうです。行ってみようかなぁ。アメリカで食べるホットドックってシンプルでそっけないけれども美味い。妙なぱさぱさ感がたまりません。食べながらいつもアメリカ的だなぁと思うのです。
ネイサンズ野村新宿ビル↓
http://r.gnavi.co.jp/g083535/