図説 マザーグース
先日の日記でも紹介した史上最悪な不幸な哺乳類ヒポポタマスの歌「運の悪いヒポポタマス」の歌の原典を発見しました。運の悪いヒポポタマス - monksiiru(もんくしーる)の日記
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- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2007/03/01
- メディア: 単行本
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分類の中の暗記歌を読んでいてみつけたのがヒポポタマスの原典ともいえる下記の歌でした。
ソロモン・グランディは
月曜日に生まれ
火曜日に洗礼を受け
水曜日に結婚し
木曜日に発病し
金曜日に悪化し
土曜日に死亡し
日曜日に埋葬された
ソロモン・グランディはこれでおしまい
という内容。歌の目的も曜日を子供に覚えさせるために作られたものと判明しましたがやはりシュール感が漂います。キリスト教圏ということで洗礼を受けてというくだりが入っています。ソロモン・グランディは日曜日を終えて輪廻転生できたのでしょうか。
運の悪いヒポポタマスも日本で幼稚園児たちが歌っていたら黒い童謡といわれそうですが、こちらのソロモン・グランディの歌も幼い子供たちが輪になってが夕暮れの公園で歌っていたらこの歌の流れに従い連続殺人がおこるミステリーホラーの映画が一作出来そうです。スティーブン・キングあたりに原作を書いてもらいたいなと思ってしまいました。
そしてもう一冊
グリム童話より怖いマザーグースって残酷 (二見文庫―二見WAi WAi文庫)
- 作者: 藤野紀男
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こちらにはソロモン・グランディと同系列ともいえるの曜日歌があったのがですがこれまた更にシュールな歌です。
イズリントンのトムさんは
日曜日に結婚し
月曜日に我が家につれて帰り
火曜日にステッキを買い
水曜日に嫁さん打ちのめし
木曜日には寝込んでしまい
金曜日に嫁さんは亡くなり
土曜日の晩にトムはご機嫌で
日曜日に嫁さんを埋葬した
現代だとDVともいえるような展開で嫁さんを殺して最後は喜んでいるというもの。別の見方としては悪妻に虐げられていたトムが復讐を果たした歌とも言えるそうですがどちらが真相なのでしょうか。この歌の他にも表現のやわらかい暴力が出てこない歌もあるのだそうですが残酷な展開のこの歌のほうが断然子供たちに人気があるのだそうです。
さらに次の歌ではなんと食人まで出てきます。
お母さんが 私を殺し
お父さんが 私を食べている
兄弟や姉妹は テーブルの下に座って
私の骨を拾っている
皆で 冷たい大理石の下に埋めるのさ
こちらは民話に由来した話が歌になったそうなのですがやはりちょっと怖いですよね。
日本でもそうですがわらべ歌というのはどこか残酷な部分を持っているのは子供の純粋な無垢な魂ゆえにもつ残酷さに似ているなぁと私は思ってしまうのです。