借金は身を滅ぼす

図書館のルポルタージュというコーナーにあったので借りてきました。内容紹介にあるようにもともとネットのメルマガで話題になったものを書籍化したものとか。鬼嫁や電車男などのヒットでネットの文章が書籍化になることもここ最近当たり前になってきているなぁと書籍のバリエーションの多様化ともいえましょう。
角川商法ではないですがネットで見てから読むか、読んでから見るかという楽しみ方もありますね。

借金は身を滅ぼす

借金は身を滅ぼす

人気ブログ「借金は身を滅ぼす」内で、話題騒然となったメルマガを書籍化。ごく平凡な青年が、ギャンブルをきっかけに総額400万円の借金を抱えてしまうまでの物語。現代のクレジット事情の隙間をぬって、借金地獄へと転落していく様を鮮烈に描きだす。特別対談!!著者と元消費者金融の社員との対談を収録。「グレーゾーン問題」で揺れる今後の業界の行方、いい借金と悪い借金、消費者金融との上手な付き合い方などリアルな情報がわかる。

借金は身を滅ぼす
http://horobosu.com/
現在は弁護士、司法書士に頼らず自分で過払い金返還訴訟をしていらっしゃる様子をブログにてレポされているようです。

日記形式で軽い読み口なので一気に読んでしまいました。でも内容はかなりヘビーです。怖いのがゆっくりとゆっくりと破滅への道を歩んでいっていることです。
きっかけは大学生になった1996.5に知ったパチスロ。これが著者の借金のはじまりでした。パチスロするお金ほしさに安易に消費者金融に手を出してしまいます。はじめは小さな金額だったのがどんどん膨れ上がっていくのがですが、どうにかなるさという思いと親御さんに知られたくないという思いからなんとか自転車操業をしてその場その場を運よくしのいでいけてしまったがために気がつけば400万円の借金の完成。
毎月に支払いは最終的には294000円。住宅ローンよりも多いこの金額は返せるわけもなく、破綻しました。

私の生業は不動産業なんですが、大学生のときにはじめての一人暮らしの暇つぶしにパチンコを覚えてしまって入り浸ってしまい、未来を棒に振ってしまった人を何人も見ています。お金がなくてもパチスロをしたいというもう完全な依存と化してしまっているのですね。著者の場合も借金という大問題がありますが、借金返したってまたパチスロ行ってしまうというこっちの行為の方が大問題なわけです。
ギャンブル依存症
http://www8.plala.or.jp/psychology/disorder/gamble.htm

パチンコというのはハードルが低くて一番手軽、しかも勝つとお金が稼げるこの快感を知ってしまうと病みつきになるそうです。負けが込んでも勝つ快感を求めて繰り返してしまうのだそうです。パブロフの犬みたいで嫌だなと思うのですが脳内麻薬の快感物質アドレナリンの放出も含めてその快感を覚えてしまったらもう最後なのだとか・・・。
そのための資金を調達するには嘘も平気でつくし借金もする。人との関係はどんどん疎遠になり泥沼にはまっていくというわけですね。

著者の場合はパチスロでしたがこれを買い物、車、など自分の好きなもの、依存しているものにかけるお金と振り替えてみると普通と呼ばれる人がある日こっち側に来てもまったくおかしくない状況だと気がつき背筋が寒くなりました。普段歩いている道のその脇にはいろんな誘惑が手をこまねいてまっていてのめりこんでしまったらなかなか抜け出すのは難しいのだと痛感しました。