黄昏綺譚

この本を図書館で借りたというのもなんとも奇妙な偶然からでした。
先日の盛岡探索の折に立ち寄った某所にて在野の歴史研究家でんすけ先生が最後の観光名所と行って案内をしてくれたのがこのあたりでは有名だという幽霊屋敷でした。前を通っただけだったのですが、この家が幽霊屋敷になったいきさつを聞いて驚愕・・・。私には聞き覚えのある話だったからです。多分、アンビリーバボーだったような?ニコニコ動画か、YouTubeで岩手旅行のちょっと前に再現ドラマを見ていたのですね。はじめは接点がわからずどうしてこんなに一致するのだろうか?と不思議でならなかったのですが、確信、あの話はこの幽霊屋敷のことだったのだと。

岩手から不思議な宿題を貰ってきたので、自宅に戻ってからネットなどで調べてみました。すると出てくる出てくるあの幽霊屋敷の情報。なるほどかなり有名な場所なのだなというのがわかりました。私の見た限りでは実のところ本当の幽霊屋敷かというのはただ長期に空き家になっているだけという話もあるので本当のところはなんともいえません。
実際に幽霊屋敷でなくても噂が噂を読んで伝聞に尾ひれがついてしまう場合がありますから。
そんな錯綜する情報の中でこの幽霊屋敷の話を高橋克彦氏がエッセイに書いているという情報を発見。こっちを読んだほうが面白いやと思って早速、図書館に予約しました。
そういえば、でんすけ先生が言ってましたっけ。「たまに高橋克彦さんを見るよ」と。
後書きを見てみれば、高橋克彦氏は岩手県盛岡出身なのだそうです。ひえぇぇえ。後からついてくる偶然の一致にただただ驚くばかり。こっちの方が怖い。

黄昏綺譚

黄昏綺譚

甦る前世の記憶、霊魂の存在、UFO、民間伝承に潜む驚くべき事実の数々…。読む者を怪異と幻想の世界へ誘う、現代版「百物語」。高橋作品の魅力の源泉が凝縮された一冊。

高橋克彦氏は子供のころからいろんな不思議体験をされていたようです。幽霊が見えたりなどは日常だったようでそんな話がわんさか出てきます。そしてさらに前世の記憶までもが蘇ってくるというなんとも不思議体験が豊富なお人なのだとか。
ここまで見えてしまうと大変だろうなぁとこちらが心配してしまうほど。
作家さんなどは佐藤愛子さんもエッセイに書かれていましたが見えやすい人が多いのかも?そういう人知を超越したものが見えるから作家になれるのかもしれませんね。

幽霊話のあとは遠野物語や民間伝承、神話などの説明できない不思議な出来事や人物について取り上げています。
調度、遠野に行っていたので、早池峰山でUFOに会った話とか、遠野物語の新解釈。座敷ワラシや河童の正体。カクレザトの本当の意味など。民話は優しく書かれているけれども実は怖い部分がたくさんという話でとても興味深かったです。
岩手では今でもUFOを見たという話が多いので昔から宇宙人との交流があったのかもしれませんね。そういう観点から鬼や八百比丘尼などの正体も解き明かしていきます。
幽霊屋敷については現代版「遠野物語」としてこの章にありました。私が聞いた話とはかなり違っていましたがさて真相は??岩手出身の人ならではの説として面白かったのは宮澤賢治ゴッホの生まれ変わり?というもの。非常に二人に共通点があるそうです。

このエッセイ集は岩手の話がとても多くてタイミングよく岩手旅行をしてきたばかりなのでどの話も非常に臨場感があって面白かったです。
遠野物語や山に囲まれた立地、民間伝承が今でも息づく現役バリバリの不思議素地をもっている岩手の地では不思議なことが今でもたくさんあるようです。

幽霊屋敷を知らなかったら、でんすけ先生がたまたま思いついて立ち寄らなかったらこの本の存在さえも知らなかったわけで、これもやはり何かの偶然なんでしょうねぇ。岩手旅行は最後の最後までビックリサプライズの連続でした。