東久 人形の歴史館

岩槻といえば人形の町、雛人形やら五月人形の人形店がたくさんある日光御成街道の宿場町です。
この宿場町にあるのが「東久 人形の歴史館」

定休日が水曜日なんですが、11月〜4月は無休になるので早速いってきました。
http://www.scvb.or.jp/data/tokyu.shtml
お店の隣に人形の歴史館はあります。入り口には大きなお鍾馗様があり出迎えてくれます。お店の人に声をかけて300円支払って入館です。
中に入ると一階と二階に展示室が分かれていて大きなものからちいさなものまで人形がたくさん展示してありました。一階の正面にあったのが干支の七段飾り。今年の干支、猪の顔したお雛様でした。人形があるなかに目をひいたのが小道具の数々。小道具職人さんが作る雛人形の飾り箪笥や、五月人形などの弓や槍などの小道具は見事な作りです。
二階に上がると人形の作り方の工程を見ることができます。お隣の春日部が桐たんすや下駄産業が盛んだったのでそこで出た桐粉を使って岩槻の人形作りは始まったのだとか。日光御成街道を通り東照宮建築に来ていた京都の工芸職人が教えて始まったという産業なのだうです。

首だけが藁の台座に一杯刺さっている光景はなんともシュールな感じです。人形は雛人形、市松人形さまざまなものがあり、古い時代のものもたくさんありました。市松人形は人形自体が見事ですが、着物など衣装も見事で今にも動き出しそうな雰囲気がたまりません。

そして更に奥に行くとここでの一番の見所があります。奥の壁一杯に人形が雛壇に乗って天上までずらりと並んでいます。裃人形といって名前の通りに裃を着て手を前にしてちょこんとすわった簡素な作りの人形です。お稚児さんや子供を模しているようです。この裃人形がなんと1500体。
雛壇に並んでいる人形たちを見て思い出したのは遠野で見たオシラサマが一杯あったオシラ堂。まさに圧倒される空間です。オシラサマは顔がないですがこちらは人形なんで顔があるからみんなこっちを見ているのでちょっとひとりだと怖いかもしれません。表情も手作りなんで違っているので喜怒哀楽の表情がいつの間にか見えてきます。五百羅漢みたいな感じもしてきました。
私は古い人形がとても好きなのでここの空間は居心地が良くて気に入ってしまいました。
人形のコレクションも多くて楽しかったです。

見学を終えてお店の方に声をかけるとお店の中も拝見させてもらいました。今の時期はこれから羽子板市があるので羽子板の展示がされていて、こちらもまた見事でした。
お店自体も古い建物なので古い商家にお邪魔したようで雰囲気がやさしくとても和んでしまいました。