庄和町その2 首都圏外郭放水路 見学会

首都圏外郭放水路とは江戸川河川敷沿いにある、国土交通省関東整備局 江戸川河川事務所管轄の河川の排水処理施設です。
春日部の16号国道地下に大きなトンネルがあるというと都市伝説を聞いたことがありませんか?そのトンネルというのは地下を流れる排水用のトンネルのことだったのです。
地上に作る放水路を地下に作っているので、普段は全く気がつきませんが大雨、台風などにはこの施設は周囲の5つの河川の水を取り込み江戸川に放水をして川が満水にならないように稼動をするのです。
平成5年3月に建設が開始され、平成14年から稼動、平成18年に残っていた施設も完成したとのことです。
 

首都圏外郭放水路 
http://www.ktr.mlit.go.jp/edogawa/works/saigai/sonae/gaikaku/frame_index.html

時間があったのですぐ横の江戸川土手を歩いてきました。

この施設の見学は予約制なのですが、7月に予約をして楽しみにしていたら2日前に大雨が降り施設が稼動したために中止となり地上の龍Q館は見られたものの、地下見学は出来ずに残念な思いをしました。というわけで本日は再チャレンジです。
廃水処理場内の龍Q館の2階のインフォメーションで受付を済ませると見学者用のパスみたいなものをもらいました。(中身は帰りにお土産にもらいました)

参加者は15名、年齢もさまざまで10代のカップルから50代のご夫婦までさまざま、ちなみに一人参加は私だけでした。
インフォメーションセンターの様子。

監視室、ウルトラマンコスモスでは司令室としてロケに使われたそうです。
 
そのほかのロケでは仮面ライダー555や映画「鉄人28号」、「ウルトラQ」「スカイハイ」など、おっとオビラジRの都市伝説芸人の関特派員も来ていました。

インフォメーションセンターでビデオを見て、その後スタッフの方より説明を受けます。

中川、倉松川、幸松川、大落古利根川など川の水位が高くなると立杭と呼ばれる大きな円柱に水が入ります。深さはなんと70m。この立杭は5本あって間を結ぶトンネルを抜けて調圧水槽と呼ばれる巨大プールに入ってきます。そしてさらにポンプ設備に流れ水をくみ上げ江戸川に放流をして川の氾濫を防いでいるのだそうです。この施設がすべて地下にあります。
 
水をくみ上げるポンプの動力派はボーイング737ジェットエンジンを改良したものだそうです。

今回はこの中の調圧水槽と第一立杭を見学することができるとのことでした。
説明が終わったので龍Q館屋上に行きます。
ここから富士山も見えるそうです。この日は今年一番の寒さ。河川敷は寒い。しかし、だからこそ素晴らしい景色。

 
このサッカー場下に調圧水槽があります。
さていよいよ地下に突入です。
地下までは階段を役100段くらいおります。
そして着いたのが調圧水槽の底です。地上から地価25mです。長さは177m、高さ25.4m、幅78mにコンクリートの柱が規律よく59本並んでいます。その姿からパルテノン神殿とも目され地下神殿とも言われている建物美をかもし出しています。後ろを振り向けば第一立杭の一部が地獄の釜のように口を開いてます。
説明が終わった後に10分間、自由行動だったので写真を撮りました。

真っ直ぐに伸びる柱群

横脇にも柱、柱

この上の位置位まで水が実際に入ることがあるそうです。コンクリートの色が変色していてその様子をうかがい知ることができました。

第一立杭

栃木で見たアーチ式ダムのようなきれいなアーチです。しかし、この先を間違って落ちると50m先にまっさかさま・・・・こわい。

天井に天窓のようなものが。
これは内部に水が入ったときにたまる泥を掃除するためにブルドーザーを入れるそうなんですが、この天井からクレーン釣って上げ下ろしをするのだそうです。年一回大掃除をするのだとか。11月がその月だったので内部の床とてもきれいでした。

ご一緒した中年のご夫婦にお話を聞いたら4回目でやっと見学が実現したのだとか。一度はやはり大雨で稼動となって中止だったのだそうです。実際、施設が稼動したのが前回までで38回とのこと、ある意味私もご夫婦も運がいいのかもしれません(笑)

しかし、地下にこんな設備があるとはホントにびっくりしました。
そして、この施設があるからこそ河川地域に住む人たちの生活は安全に守られているのですね。見学時間90分、大人の社会科見学にオススメです。