飯能名栗その3 神仏習合之遺構 竹寺

有間ダムを後にして進み更にまた林道を登って行くと見えたのが竹寺です。
竹寺は奥多摩自然公園内、標高490mの山の上にあります。
正式名称は医王山薬寿院八王子といいます。
http://www.musashino-kannon.com/jiin/33.htm
武蔵野三十三観音霊場の最終寺33番札所、結願寺です。

このお寺はとても珍しいお寺なのでいつか来たいと思っていました。現代の日本では神社とお寺は分かれていますが、昔は一緒でした。しかし、明治維新の際に発令された神仏分離令により神社とお寺は無理やり分けられてしまったのですが、この竹寺は奇跡的に神仏分離を免れて昔のままの姿で残っているのです。東日本ではここだけだそうです。 
そんなわけで不思議なものがたくさんあって面白かったです。

鳥居 神社にあるものですよね。

こちらのご本尊は牛頭天王

インド祇園精舎の守護神ともいわれている神様ですが、蘇民将来伝説の由来の神様でもあります。スサオノの変化として同一視されています。銅像は中国の方が寄進されたそうです。かなりマッチョな勇ましいお姿です。
なので祇園精舎はお寺、スサオノ、蘇民将来は神社に由来です。このあたりがどちらにも取れるから神仏分離から逃げ切れた原因なのでしょうか?

弁天堂 弁天さんは神社にもお寺にもいますよね。

観音堂 観音様はお寺にいるもの・・・よく見ると狛犬がいます。

そうそう、車を下りると犬の鳴き声が参道から聞こえてきて、近づくと犬が一匹いました。境内を回る間に案内するかのようにつかず離れずでついてきてくれて、本堂に上がる手前では座って道を譲ってくれました。日本武尊を道案内したオオカミみたいな知的な雰囲気に見えますよね。

竹寺というだけあって竹林がたくさんあります。

福寿草が満開


竹でできた鳥居

本堂前の階段に茅の輪がかかった鳥居があります。
茅の輪は通常は6月終わりの夏越の大祓いと12月の大祓いに作るもので神社の神事です。しかし竹寺では一年中ずっと茅の輪があります。この写真を始めてみたときに衝撃を受けて来たいと思ったのです。

階段を上がると本堂、こちらに牛頭天皇とその子供たちである8人の王子(八王子)がご本尊としてまつられているそうです。

狛犬さん


本堂表と裏



本堂は屋根の上の千木、鰹木、壁面の朱色もまぶしく裏手には本殿がありどうみても神社の作りです。なのにお寺なんで鰐口があってご本尊がまつってあります。
参拝中にもちょっと頭が混乱してきますが、清清しい空気の流れる素晴らしい場所で良い気が流れていました。
神社仏閣めぐりをしているとお寺に狛犬がいたりすることはままあるのですが、ここまでいろんなものが混ざっているお寺を見るのは初めてだったので興味深くもありとても面白かったです。神仏分離されずに残っていてよかったなぁと思います。

注意 こちらも林道を登ってたどり着きました。幸いにこちらも車と合わずに登り、下りと来れましたがやはり急勾配な道なので運転にはお気をつけて行ってくださいね。