桶川市 さいたま文学館

いきつけの上尾市立図書館のチラシコーナーで告知を知ってやってきました。

桶川市にあるさいたま文学館にて行われている企画展。
直実、重忠、静御前たちと文芸作品「よみがえる歴史ヒーローの伝説」です。
http://www.mmjp.or.jp/saibun/

熊谷直実畠山重忠静御前鎌倉時代の源氏にかかわる人物たちには偶然なのですがなじみがありました。先日、マンガ日本の古典シリーズの竹宮恵子さんの描いた「吾妻鏡」を読んで見たのですが実にドラマチックで面白かったです。吾妻鏡鎌倉時代の源氏、北条氏側からみた歴史書なのですが、今回、改めて読んでみて源頼朝率いる源氏側に従う武士たちに埼玉の武士たちが多くいたということを知りました。

吾妻鏡(上)―マンガ日本の古典〈14〉 (中公文庫)

吾妻鏡(上)―マンガ日本の古典〈14〉 (中公文庫)

熊谷直実畠山重忠もその中の一人です。他には先日行った熊谷市妻沼町にある妻沼の聖天様の開基は木曽義仲に討たれてしまうという悲劇の武将、斎藤実盛。河越氏(川越のもとになった)の娘は義経の妻になり、奥州平泉で義経とともに運命をともにします。義経の愛妾の静御前などなど数え切れません。

この人物たちの生き様は文学の中にもたくさんの文献や物語として残っているようで、今回は三人の埼玉にかかわる人物にスポットを当てて紹介されていました。
直実や重忠は埼玉出身としてわかりますが、静御前はどうして?と思われる方もいるとお思いますが、義経が平泉に逃れてゆくのを静も追いかけて行き、埼玉県の栗橋町で亡くなってしまったという伝説が残っているのです。栗橋町や隣の茨城県古河市には静御前にちなんだ史跡などがいくつか残っています。

展示パネルには浮世絵や絵馬などビジュアル的な展示もあって、そして文献や文学作品の紹介となっていてとてもわかりやすくみやすい展示となっていました。
見に行く前に吾妻鏡を読んでおいて良かったです。

常設展は埼玉ゆかりの文学者たち19人の作品展示などがあって、こちらも非常に面白かったです。
田山花袋豊田三郎(森山桂の父上)、永井荷風などなど、深沢七郎も晩年はなんと菖蒲町に住んでいたとか。(「楢山節考」がとかく有名ですが、「みちのくの人形たち」という短編が凄く好きです。)

面白いコーナーをここで発見。よみがえる音声コーナーと題して清少納言松尾芭蕉、滝澤馬琴の声を肖像画などから再現して著者自ら朗読する物語を聞けるコーナーがありました。清少納言の声が凄く素敵です。

他にも文学クイズ、立体文学体験コーナーなどがあり、文学というと堅苦しいイメージがありますが楽しく興味を持つことが出来て良かったです。