豊洲 平木浮世絵美術館

土曜日に豊洲に行ってきました。
高層マンションが立ち並ぶウォーターフロントです。
豊洲ららぽーと、キッザリアをはじめ話題のお店がたくさん入っていて土曜日とあってたくさんの人がいました。

そんな、豊洲ららぽーと内にあるのが、浮世絵の美術館「平木浮世絵美術館」です。
http://www.ukiyoe-tokyo.or.jp/

ここを知ったのは、確か美の巨人たちhttp://www.tv-tokyo.co.jp/kyojin/picture/f_061014.htm歌川国芳の「猫のすずみ」が紹介され、こちらで展示されると知ったからです。残念なことに展示があったときには来ることが出来なかったのですが、今回お台場に来る所要が出来たので豊洲からゆりかもめに乗るのでやって来れました。
今回は特別展示の「江戸のデザイン、千社札 其角堂コレクション」でした。
入場料は500円、ワンフロアのこじんまりした展示室ですが、趣向を凝らした展示になっていました。

千社札とは江戸時代に作られた神社仏閣などの参拝記念に貼り付ける紙のお札です。大きさは 一寸六分(58ミリメートル)、高さが四寸八分(173ミリメートル)の一丁札というものが標準となり、2枚にしたり、3枚にしたりはては大きなものだと16枚なんていうのもあるそうです。

神社仏閣に貼るのが本来の目的で墨一色のものだったのですが、後には現代のトレーディングカードのように豪華な絵柄を描き愛好家たちが交換会を行った納札というものがあります。こちらは小さな千社札の大きさに見事なデザインの花鳥やら物語の一遍やら洒落を効かせた謎解きものの粋なものまで実に豪華な多色刷りのものが展示してありました。
この豪華さがあだになって身上を潰すものが出るくらいに大流行したため、お上から禁止令が出たほどだったそうです。

さて、これは川越喜多院にある、天海僧正を祀る慈眼堂です。
お堂の上にたくさんの千社札が見えますよね。

かなり上にもこれでもかと貼り付けてあります。まさか肩車をして貼り付けたわけではないのでどうやって貼り付けたのだろうかと思っていたら答えが展示してありました。
釣竿のような折り畳みの竿の先端に刷毛をつけた特性のマジックハンドを使って貼り付けたそうです。肩には千社札を入れた箱を下げて参拝者は神社仏閣巡りの記念として行脚したそうな。

現在では保存などの観点から迷惑行為として千社札はお断りと書かれているところも多くて新しく改築された寺社では千社札を貼り付けているところも少なくなりました。
浮世絵もそうですが、江戸っ子のこういう粋な芸術の目利きというのは実に素晴らしいなと展示物を見てしみじみと感じます。

見学が終わった後はお隣のミュージアムショップに行ってきました。
猫百態の手ぬぐいと広重の絵はがきです。

今回は浮世絵は国貞の五人男(後ろの背景に千社札がたくさんあります)だけでしたが、次回浮世絵の展示のときにもまた訪れてみたいです。
ららぽーとの喧騒から一瞬はなれてとても静かな空間で心地よかったです。