博物館のハシゴ その1 国立科学博物館と東京国立博物館

7月22日の水曜日に久々に上野にやってきました。
まずは国立科学博物館へ。
朝の9時に開場と聞いていたので少し前に到着したのですが、既に人が並んでいます。
ここで気がつきました。今日は皆既日食だったんですね。それで子供たちがたくさん並んでいたんだとか。科学博物館でも鑑賞プログラムがあったらしいのですが、残念ながら中止になったそうです。

ここでは特別展の「黄金の都シカン展」を見てきました。
朝一番なので人がとても少なくてのんびりと展示物を見ることができました。シカン遺跡は妙に懐かしいなぁと思っていたら94年にTBSテレビで特番が作られていて、シカン遺跡ブームがあったのを思い出しました。テレビでみたロロ神殿の王の仮面や埋葬品などが実際に目の前にあるというのは実に感慨深いものがありました。

展示物には黄金のものが非常に多いです。前回見たエルドラド展でもこれでもかと黄金尽くしでしたがシカンも負けてはいません。南米の古代文明の遺跡から発掘されるもののデザインが私はとても好きなのでひとつひとつの展示物をじっくりと見てきました。

シカン展を見終わったので、常設展もちょっとだけ見てきました。

本館の地下3階で行われていたミニ企画展です。
あの懐かしい「月の石」が展示されているというので行ってきました。月の石というと私は1978、79年に現お台場の船の科学館にて行われた「宇宙博」で見た想い出があります。
調べてみたら宇宙博の月の石はアポロ16号採取のもので、科学博物館のものはアポロ11号と17号で採取されたものなんだそうです。
 

月の石ってホント小さな石なんです。この石を見にたくさんの人がやってきました。当時はこの小さな月の石に今日の皆既日食と同じくらい夢があったんだなぁと懐かしい気持ちになった一時でした。
  
さて、続いては東京国立博物館に向かいます。
お目当ては特別展示の「第62回式年遷宮記念 特別展「伊勢神宮と神々の美術」 です。めったに見ることのできない社宝が見られるというので行ってきました。こちらも朝10時半頃だったので人もまばらでのんびりと見ることができました。
 

私は借りなかったのですが、解説ガイドの声はあの美輪さん!アマテラスにちなみ女神様ということでの抜擢でしょうか?ちょっとこれは聞いてみたかったです。

展示物を見ると伊勢神宮の大きさ、信仰の厚さが伝わってきます。
比較的新しい昭和4年、48年の式年遷宮のときに奉納された社宝が展示されていたのですが、神刀、盾、弓矢などの細工はまばゆいばかりの見事さでした。日本の職人の技術の集大成ですね。
平成25年には式年遷宮を行うとのことで益々参拝者も増えることでしょう。
まさにキングオブ神社の貫禄がここにありました。
東大寺伊勢神宮神仏習合の名残の資料なども展示されていて面白かったです。

お寺では仏像があるんですが、神社では神像というものがあります。神像の展示がありこちらも古いモノがたくさんありました。

私的な偶然で面白かったのが朝、上野駅の本屋で「怪」の最新号を立ち読みしていて、みうらじゅん氏の記事があり、京都の大将軍八神社のレポがありました。みうら氏は大将軍が地元だそうでそんな思い出話と合わせて神社の社宝の神像を見たという話が書いてあり、私も5月に立ち寄った神社なので興味深く、なるほどへぇと思っていたら最後の最後の展示に大将軍八神社の男性神像があってびっくり。何かのご縁なんでしょうかねぇ。とても見たかった神像なのでとてもありがたいご利益ソウルトレインでした。

1階で伊勢神宮の一年の神事の様子のDVDが17分に渡って上映されていたので観たのですが、伊勢神宮の風景も美しく神事そのものが実に美しいんです。静寂、凛とした神事、見事な日本の様式美でした。


特別展はもうひとつ行われていてこちらも見てきました。
「染付−藍が彩るアジアの器」というもので、陶器にはまったく知識がないのですがそんな私でもよいものだなぁと思う器がたくさん展示されていました。
こっちは見流し状態だったのでちと勿体なかったかもしれません。

常設展もちょっとだけ覗いてきました。
考古ブースには相変わらずあの人たちが踊っていました。
 

浮世絵のブースは鳥居清長の三枚ものの美人図や晴信、北斎の花鳥図など充実のラインナップ。ここの展示は所蔵も多いのでいつきても違う浮世絵が見られるのが嬉しいです。

さてまだまだハシゴは続きます。