遠山記念館 長澤英俊展 夢うつつの庭  その1

お盆休みの最終日に梅干しの土用干しも無事に終わったので、近場を探訪してきました。
自宅の狭山市から20キロほどでたどり着く、川島町にある遠山記念館に行ってきました。
遠山記念館HP http://www.e-kinenkan.com/
目の前の水田にはたわわな稲穂が実っていました。この川島町は川越藩のお蔵米を作っていた米どころであり今でも稲作が盛んです。

遠山記念館は川島町出身の日興證券創立者、遠山元一が苦労した母のために立てた邸宅なんだそうです。入り口には蓮の花が咲いていました。

入り口から入ってみます。門からして大きいです。

入って直ぐに見える不思議な金の箱・・・これ一体なんでしょう?

これは川島町出身の彫刻家、長澤英俊さんの特別展、「夢うつつの庭」の作品のひとつなんです。作品名は「ドラーゴ」。

中に入ると美術館があり、中では長澤氏のドローイング作品が展示されていました。この美術館の中がいい味の建物でとても心地良い空間なんです。

そして、いよいよ、邸宅に行きます。東棟にある表玄関です。これも大きな玄関です。

この建物は昭和11年に2年7ヶ月の月日を費やし完成したそうで、江戸からの生粋の職人を集め、全国各地の選りすぐり銘木を惜しげもなく使い、技巧をこらしたまさに贅を凝らした邸宅なのです。建物は東棟(約200?)、中棟(約290?)ここだけ2階になっています。西棟(約200?)その他に、土蔵、表門、別当茶室などを構えた広大なものでスケールが大きすぎです。

玄関横に見えたのが、畳の上に銅色の6枚の翼がある「羽」という作品です。

和室の色合いと金色が見事に合って不思議な空間です。

向かいにあるのが、内玄関。ここにあるのが「稲妻」です。

不思議な畳が。「浮島」という作品です。

庭を見たら水琴窟があったので、鳴らさせてもらいました。杓子で水を注ぐと、カランコロンと涼しげな音がして耳心地良いです。

東棟を更に行くと見えるのが、「船―ルマンドラ」という作品です。

廊下の天井に船が見えます。

更に行くと中棟にたどり着きます。
襖に描かれているのが「ふすま」という作品。銅の金色と水色のコントラストが素晴らしいです。

ここは庭が一望できる場所です。

普段は2階は非公開なんだそうですが、特別に見られるというので階段を上がりました。
2階にあがると18畳の和室があり、ここから見る庭の景色の絶景といったら素晴らしすぎです。

学芸員さんがいたのでお話を聞いたら、この建物は改築などは行われておらず、70年前そのままの姿で現存しているのだとか。ガラスがはめ込まれていますが、当時の日本では透明ガラスを作る技術がなかったのでアメリカ製のものを使っているそうです。
ガラス窓が多くて気持ちが良いなぁあと思っていたのですが、管理する側としては雨戸がなんと170枚!朝晩の開け閉めに30分ほどかかる作業を毎日行っているんだそうです。手間隙かけられて今も美しい姿を保っているのですねぇ。


和室の隣を見ると、洋風のしつらえの部屋が見えます。貴賓室のようですね。
 

窓などの枠のデザインなども趣向が凝らしてありました。

続いては西棟に向かいます。 続く