三富新田探訪その1 中富の「いも神社」

秋になってさつまいもが食べたいなぁと思ってネットで調べてみると所沢に「いも神社」なる神社があるという情報。昨日、早速行ってきました。
場所は所沢市の中富というところ。三芳町に隣接しています。
時は今から300年ほど前の江戸時代にこの一体は川越藩の領地となりました。領主になった柳沢吉保はこの地の新田開発に着手。吉保の命をうけた曽根権太夫の命により農民が集められ土地の開発が始まりました。農地開発がはじまって2年後の元禄9年(1696年)5月に検地が行われて上富156戸、中富48戸、下富50戸の合計241戸の新しい村が出来上がり、三富新田となったそうです。
この三富新田の縦長の独特の地割は今も当時のまま残っていて、当時と変わらない景観を残しています。
川越いもとして有名なサツマイモ栽培は寛永4年(1751年)に吉田弥右衛門の息子が上総国まで赴き種いもを買い受け栽培を始めたことからはじまっています。
現在もサツマイモはこの三富新田の特産であり「富(とめ)のいも」としてたくさん作られています。
三富開拓について http://www.jade.dti.ne.jp/~miyoshir/shitei/3.html
そんな大切なさつまいもがおまつりされている神社なんです。
のどかな道を走ってゆくと見えました。
神明神社です。
HP http://www.shinmeisha.com/index.html

うっそうとした雑木林に囲まれている神社です。宝暦11年(1761年)に三富の鎮守として創建されたそうです。隣にある多門院、毘沙門天社も一緒の敷地だったそうですが、神仏分離により分割されたそうです。

狛犬さんと社殿です。

さて、いも神社はどこにあると探してみると社殿の左側にありました。
ご祭神であるいも神様は当地にさつまいもをもたらした吉田弥右衛門とご存知、甘藷先生こと青木昆陽だそうで平成18年に建立されたそうです。

狛犬さん、良く見るとなんと!阿吽ともにさつまいもをつかんでいます。これは珍しいですね。

そしてこれが「撫でいも」。見事なさつまいもです。ご利益があるように撫でてみました。
今年も豊作でありますように。

神社の境内の裏の雑木林は月の原、花の小径と称して季節の山野草を愛でることができます。

雑木林はさつまいもの作りには大切なもので、落ち葉を発酵させて堆肥にしているのだそうです。この三富の自然までもがさつまいもに役立っているのですね。