平木浮世絵美術館 特別展 北斎漫画

豊洲に来ると立ち寄るのが平木浮世絵美術館です。
今回は開館3周年記念展 北斎漫画の特別展があるというのでやってきました。

北斎漫画は前15編からなる絵手本です。山水人物鳥獣草木堂宇器材にいたるあらるものを描き出し3900点という膨大な掲載図。
北斎漫画を手本にしてその後たくさんの浮世絵も描かれ、また海外でも北斎の技術の高さ芸術性から高い評価を得た絵手本です。

北斎漫画は絵手本なので一色刷りか2色刷りになっています。

いろいろなものが描かれてしかも、細かい描写でスゴイ観察力だなぁとしみじみ感じます。
そしてその観察力をそのまま絵として表現できる北斎はやはりタダモノではありません。
あらめてそんなことを思います。

以前に読んだ辻 惟雄さんの著書「奇想の江戸挿絵」でも北斎の挿絵が紹介されていましたが、漫画の原点ともいえる表現がたくさんあって文字通り奇想のオンパレード。
しかし、その荒唐無稽な奇想を支える骨子の根底にはこの見事な技術があってこそというのをまざまざと見せ付けられた気がしました。

奇想の江戸挿絵 (集英社新書ヴィジュアル版)

奇想の江戸挿絵 (集英社新書ヴィジュアル版)

日曜日というのに来場者もこの時間はなく、貸切状態で作品を堪能しました。

ここでは美術館オリジナルの展示会DVDが流されているのですが、これがまた力作でして北斎漫画の魅力を判りやすく紹介していて面白かったです。
展示室のレイアウトもいつ見ても企画展に合わせての趣向が配されていているだけで心地良い場所です。

日本の漫画の祖ともいえる葛飾北斎を描いた漫画があります。

百物語 上之巻

百物語 上之巻

 
百物語 下之巻

百物語 下之巻

江戸時代に流行した百物語に絡めて北斎を中心に浮世絵師がたくさん出てくる漫画ですが、実に面白くて一読の価値ありです。

今年は小布施の北斎記念館に訪れたり、東京国立博物館にて肉筆画の西瓜図を見たり出来て最後にこの北斎漫画。実に収穫の多い年となったような気がします。