東京カルカルトークイベント 仏像マニアックス3

昨日、1月31日の日曜日にお台場東京カルチャーカルチャートークイベントに行って参りました。
題して、「仏像マニアックス3」です。
 

出演はまんじまるさん、コーリーさん、クロスケさん、小嶋独観さんという仏像にひときわ熱い心を持つ漢(おとこ)達が結集。これは期待が高まるというものです。日曜日のお昼ということもあって、会場は超満員の札止め状態の大盛り上がりでした。

今回も第1部と第2部に分かれてのトークが始まります。
第1部はまんじまるさん、コーリーさんによる、「仏像の楽しみ方」です。楽しみ方は4つあるそうなんです。
「聞く」ゲストのコーリーさんはプロのナレーターさんです。とても耳心地の良いお声をされていて、仏像のすばらしさをナレーションで語って伝導していらっしゃいます。
コーリーの仏像でGO!↓
http://butuzo.cocolog-nifty.com/blog/2009/11/post-7933.html
一つ一つのお話が妙にいい声でなるほどぉと感心し、更に笑える解説がちりばめてあって楽しいです。当日の予定外のアドリブの烏枢沙摩明王(うすさまみょうおう)の朗読もあわてることなく、ナレーションしてくださいました。

「彫る」はコーリーさんはナレーション以外にもなんと仏師の方について、仏像を彫っているそうで、マイ仏像を作る楽しさを教えてくれました。これは私もやってみたいですねぇ。

「着る」のコーナーではまんじまるさんが自らがモデルになって、仏像と同じく装束を見に付けるという身体を張った画像が公開され、大受けでした。
 


私もこの企画の元となった名著、西村公朝先生の「やさしい仏像の見方」は知っておりましたが、まさかリアルにやる人がいるとはスゴイ!螺髪も毛糸で手作りだそうな。
「集める」は全国のお寺を廻っているまんじまるさんのお勧めの大仏関連土産ものです。
かわいいキーホルダーやら、ボールペン、果ては無理やりコラボレーション(シンクロ?)された人気キャラと仏像のグッズなどが紹介されていました。

どれもこれもホント楽しそうです。
仏像の楽しみ方はまさに無限にあるのですね。

しばしの休憩をして第2部突入でーす。

「 素敵だねジュニア。だけどね、今の君は運がいいだけだ 怖さを知らない。 一度や二度は地獄をみなきゃ」
このしびれるセリフは角川映画汚れた英雄」のっ主人公、北野晶夫がレースの怖さを知らないひよっこおぼっちゃんに放つ一言です。
ということで北野晶夫もお勧めしている地獄。どうも地獄って身近な場所にいっぱいあるらしいですよぉ。
地獄の案内人はまんじまるさん、クロスケさん、小嶋独観さんです。

その1はまんじまるさんとクロスケさんによる地獄についての解説。
へぇ地獄って案外と近い場所にあるのですねぇ。

今回は伊豆にあるという伊豆極楽苑の紹介をしてくれました。
死んだらどう見ても、地獄に行くんですからだったら先に下見をしておいて損はありませんね。
  

伊豆極楽苑さんはなーんと、家族で造った地獄です。お父さんが構想7年、その壮大な地獄絵図を家族総協力の元に5年かけて製作したのだそうです。
家族の団結力の賜物なんですねぇ。
素人作りだからと舐めてはいけない、凄い良い感じの造型にしびれます。
そして、無駄に力の入った地獄の責めが詳細でこれでもかこれでもかと繰り広げられていて素晴らしいです。

造型も素晴らしいですが、カラーリングも素晴らしいです。業火、血の赤を筆頭に地獄って極彩色の洪水ですねえぇ。なぜかエキサイトしてしまいます、地獄なのに・・・(笑)

しかし、これを家族で作ったのか思うとそっちの方がこえぇよと思ってしまうわけですが(笑)
更に素晴らしいのは今でも入り口の顔ハメなど続々と最新作があること!

まさに地獄の家族に乾杯です。

続いてその2は珍寺大道場の道場主である小嶋独観さんによる、全国に確認される地獄のご紹介です。
地獄というのはいろんな場所にあるようで、油断はできないようです。
徳島の正観寺。こちらは造型も雰囲気も迫真迫る地獄世界でガチで怖いそうです。
 


確かにこれを造る想像力は怖すぎですぅ。

和歌山の花園村恐竜ランドでは恐竜に出迎えられてその奥の洞窟内に地獄の口が開いていたり、久留米成田山分院の大観音にもめくるめく地獄があったり、そして、大阪の全興院では地獄の自動判定機やら、浄玻璃の鏡のビデオテープ映像やら地獄のシステムもハイテク化されているそうです。とはいえ、造型、堂内の雰囲気はおそろしさ満載なので地元のお子さんの情操教育に大変役立っているようです。
 
 
私は閻魔大王と奪衣婆が大好きなので、どれも行ってみたい地獄ばかりでした。

そんなほとばしる想像力の集大成の地獄と対照的なのが極楽です。
地獄が動ならば極楽は静の世界なので、あまり想像力が働かないようで作りこみがどこも似たようなもんです。
凄く手抜き感があり、簡素なのも共通項として楽しめます。あの世でも人間はどこかに苦しみなどの不安定な変化があるほうが生きがいだと(とっくに死んでますが)思ってしまうのかもしれませんねぇ。
 

そんなこんなでトークは尽きることなく大団円となったのでした。

そういえば、地獄の確認地はなぜか四国、九州、関西、伊豆など比較的暖かな気候の場所が多いようです。東北やら北海道などにもあるのでしょうか?北国は冬の厳しさ寒さという自然の地獄があるから、あまりないのでしょうか?
恐山と言う最強バーチャル地獄があるからかもしれませんが、そのあたりも興味を持ちました。
そんなことを考えると、地獄を見て楽しめるっていうのは実は極楽なのかもしれませんねぇ。極楽ってきっと目の前にあるのかも知れません。

「地獄を見たかい。 また戻ってこいよ」
北野晶夫がレース中の転倒事故で九死に一生を得たおぼっちゃんに放つ一言です。今日はたくさんの地獄を見ましたが無事に戻ってこれました。
めでたし、めでたし。