伊豆探訪その1 伊豆極楽苑 

12月の17日、18日に久々に伊豆方面に旅行に行ってきました。昨年は熱海だったしと、12月はあちら方面にどうも呼ばれるらしいです。
今回は東京駅からこだまに乗って三島駅からは伊豆箱根鉄道に乗り継ぎ、修善寺に到着しました。

伊豆箱根鉄道の駅がローカルでたまりません。始発から終点までのんびりと楽しんでしまいました。
ここからはレンタカーを借りてとある場所に向かいます。天城方面に車を走らせ、10分ほどすると見えたのが、笑顔の鬼さん。

伊豆極楽苑さんです。http://www2.wbs.ne.jp/~izutsubo/shop/izugokurakuen.htm
今年の1月31日に行われたイベント仏像マニアックス3でも紹介されました。
2010-02-01 - monksiiru(もんくしーる)の日記そこで行った人たちがみーんな「本物はもっとスゴイ、是非行ってみて!」と太鼓判を押してくれたのでずっと行きたかった場所です。
入口はこーんな感じ。


子供の鬼っこたちは可愛らしいです。
 

受付には館長と奥様がいらっしゃいました。早速、中を拝見です。
まずは1階にて、人が死んでから地獄に行くまでの説明を受けます。奥様が説明をしてくださるのですが、立て板に水のような流暢な語りにぐっと引き込まれてゆきます。

そしていよいよ、2階の地獄めぐりに・・・。
三途の川が見えてきました。あぁこの表情、ご近所にいそうな感じが妙にリアルです。

ここは賽の河原。
稚児たちが積む石を情け容赦なく倒す鬼。そして稚児たちを救うために現れた地蔵菩薩様。
見事な世界観です。

お稚児さんが救われるようにと見学者からお賽銭が知らぬ間に入っていたというのもうなずけますわ。

そして、お次は地獄のいい夫婦、縣衣婆と縣衣翁です。

今日も夫唱婦随のいい仕事っぷりですね。

次に向かったのは、閻魔様の前です。
浄玻璃の鏡もあるし、嘘は全て見抜かれてしまいます。

閻魔様のお姿、かっこよすぎですねぇ。

ここで懺悔をすることも出来ます。懺悔を書くノートがあったのですが、結構ヘビーな懺悔もありました(笑)

ここは餓鬼界です。
餓鬼のみなさんの表情豊かなこと怖すぎ。

これを見たらお盆の施餓鬼絵は絶対に忘れてはならないと思うこと間違いないですわ。

ここまででも充分なんですが・・・いよいよ地獄の責め苦が目白押し。

かっこいい赤鬼さん、青鬼さんたちがこれでもかと亡者を責め立てております。


永遠に殺しあったり、

のこぎりで切り刻まれたり、

釜でゆでられたり、

ミンチにされて肉団子にされたりとエライことになっています。

ここでやっと地獄の終わりに近づきました。
ギャル鬼さんに見送られて退場です。

地獄の後に見えたのは美しい観音様。生き人形のようで妙になまめかしくて色っぽいです。

そして、極楽浄土が目の前にありました。

極楽は敷金礼金無しの温度は23度で食べたいものは思えば沸いてくるというまさに夢の世界なんだそうです。

最後にさいころ振ってみたら、やっぱり私は地獄行き(笑)

閻魔様や縣衣婆、縣衣翁が大好きなので死んだら地獄で雇ってもらいますかね。

見終わって感心したことは人形の表情がとにかく素晴らしいこと。聞いてみるとお父上が作者で一体一体がぜーんぶオリジナルの手作りなんだとか。大きさは30センチくらいあって顔のみならずポージングや手足にも表情があります。
マッチョなハードロッカー風の鬼さんの制作は弟さんだそーな、筋肉の造形、憤怒の形相むちゃくちゃかっこいいです。
背景や床の地獄の業火もこれでもかという極彩色に彩られて地獄度を高めています。こちらは館長さん作だそうで、皆さん、各自作業を別々にしてあわせてみたらこんなスゴイことになっちゃったそーです。
ご家族総出で全て手作りで作られたというこの地獄の造形はまさに圧巻でした。

お寺などで地獄絵図の拝観がありますが、ここはその地獄絵図がそのまま立体で出てきちゃったような場所です。しかもパワーアップして再現されているからお子様の情操教育にも最適。悪いことしたら地獄に連れてゆかれるという恐怖をしっかりと根付かせてくれます。最近、怖いものってあまりないですからこういう場所ってとっても大事だと思うんですよね。
地獄の世界は見るものにいろんなことを語りかけてきます。年齢やその時の自分の心のありようが見える場所なのかもしれませんね。
極楽苑に何度も行きたくなるという人が回りにたくさんいて不思議に思っていたのですが、施設の充実さだけでなく館長さん、奥様の人柄がにじみ出てくる地獄苑のこの雰囲気がファンをひきつけてやまないのでしょう。私もまた行きたくなりました。また、お邪魔します。


館長の青鬼丸さん制作の最新作、釜ゆでレストラン素敵な顔ハメも必見です。