国立新美術館 シュルレアリスム展

昨日の土曜日、久々に都内に行ってきました。土曜日の朝の電車は通勤、通学の人がいないせいかどこかのんびりです。窓から差し込む日差しに思わずボーっとしていると異次元に吸い込まれるような感覚を感じます。私は普段、車通勤なので電車に乗るとなんだか嬉しいのでありました。狭山から西武新宿線高田馬場、JR山手線に乗り継ぎ原宿へ、そして地下鉄東京メトロで乃木坂へ。
到着した場所は、六本木にある国立新美術館です。
作った建築家は黒川紀章。そういえば4年前の都知事選挙に出馬したことももう随分昔に思えますねぇ。今年もまた知事選がやってきたし。

中に入ってみると、採光をふんだんに取り入れた吹き抜け空間が広がっておりました。


るつぼのようなコンクリート柱の上に天空レストラン。ここにもたくさんの日差しが溢れています。

さて、本日ここにやってきたのはシュルレアリスム展を見にきたからです。
http://www.sur2011.jp/
パリ、ポンピドゥーセンター所蔵の作品170点がやってくるというので、告知を知ったときからもう楽しみでしょうがありませんでした。

なので、開館の30分前から並んで待って、一番乗りで会場入りを果たしました。

中に入ると、そこはもう超現実の世界、シュルレアリスムの世界が広がっていました。
ダリ、マグリット、エルンスト、キリコ、ミロ、タンギーなどなどの巨匠たちの作品が惜しげもなく展示してあって感激です。
絵画だけでなく、書籍、マン・レイなどの写真家たちの写真の数々や、エルンストのクィーンとともにゲームをするキングなどブロンズ像も展示してあります。映像も3つのブースに分けて上映していました。

今回どうしても見たかったのは、やっぱりマグリットとエルンスト。
マグリットの秘密の分身やら澁澤龍彦の著書「幻想の彼方へ」でも紹介されていた「陵辱」も初めて見ることができました。陵辱は本では白黒で掲載されていたのですが本物は色鮮やかな作品なのですねぇ。

エルンストはユビュ皇帝やキマイラ、三本の糸杉などが展示されているほかに、有名な版画「百頭女」から6作品が展示されていて細密な版画に見入ってしまいました。

シュルレアリスムという流れで大好きなポール・デルボヴォーのアクロポリスも展示してありこちらも嬉しかったですねぇ。

今回の絵画展は鑑賞している間も電車の中で感じたようなボーっとした異次元感覚、超感覚のような不思議な時間の中にいるように感じて妙に心地が良かったです。
シュルレアリスムというのは人の心の内面で見たものを描いているので、難解で突拍子のないような絵画にも思えますが、実はストレートに心の中にコンタクトしてくるのではないかと思います。

できればもう一度行きたいなぁと思っています。それくらいインパクトがあって素晴らしかったです。