のぼうの城

埼玉が舞台になった映画ということで楽しみにしていた「のぼうの城」。
11月2日から公開になったので早速、金曜日の初日に映画館に足を運んできました。

映画の原作は昨年に読みました。
この本の表紙の絵が今年の古代蓮の里の田んぼアートになってましたね。
2012-09-07 - monksiiru(もんくしーる)の日記
舞台となった忍城のあった行田市ではのぼうの城にちなんで町をあげての宣伝をしていました。ちなみに埼玉県ものぼうの城を全面応援中。埼玉県庁から来るメールマガジン、彩の国メールマガジンでも紹介されていて、県知事もコラムにのぼうの城のことについて触れています。映画の舞台になったことが少ない埼玉県ですので、力の入れようは県をあげて並々ならぬものがあります。

ちなみに私がこの作品を知ったのは昨年の秋の頃にたまたま立ち寄った熊谷市の埼玉県立熊谷図書館でした。熊谷図書館は毎回史実や人物にテーマを決めてそれにちなんだ展示コーナを作っているのですが興味を引く展示が多く立ち寄るとみてしまいます。その時は「のぼうの城」にちなんで忍城、成田家についての書籍の展示がありました。展示が面白くて帰ってから早速、文庫本を購入して読みました。

読んだ感想は上下巻ある文庫本ですが、従来の時代劇小説とは違っていてとても読みやすく内容にも引き込まれて面白いので一気に読んでしまいました。登場人物のも一人ひとりの人物像も鮮やかに浮かび上がってきてとても面白かったので映画になったらどんなものになるか楽しみでした。
余談ですが、熊谷図書館の展示コーナーでみかけたのですが、美味しんぼの作画の花咲アキラ氏で漫画化もされているそーな・・・・見てみたいような見てみたくないようなw

そんな期待を持って今回映画を見てきました。

のぼうの城 オフィシャルHP 
http://nobou-movie.jp/

仕事帰りに相方と待ち合わせての映画館に行ったので最終上映時間のレイトショーになりましたが初日ということもあってか午後9時20分の上映開始なのにたくさんの来場者がいました。
ワーナーマイカルでは映画のお供として、のぼうの城にちなんだポップコーンが売ってました。塩味とのり塩味のポップコーン2色のものだったんですがこれが案外と美味くてイケました。

上映時間は145分とちと長めですがまったく飽きずに気が付いたらエンディングという感じで本当に面白かったです。時代劇などにも結構辛口意見の相方も面白かったと言っておりました。残念だったのはエンディングの曲だったそうですがw

ストーリーは秀吉の備中高松城の水攻めのシーンからはじまります。秀吉に忍城攻めを命じられた石田三成は2万の兵を率いて成田長親率いる忍城に攻め入ってきます。長親の軍勢は500余りですが、地形を利用した巧みな戦略により落城せず、三成は水攻めを決行します。堤を作り川を決壊させ忍城を水攻めにするところまで一気に進み、そしてクライマックスの長親の船上の田楽踊りシーン、やがて戦は小田原の落城により終結。開城のラストへと向かいます。

キャスティングは本当に良かったですねぇ。
まずは成田長親役の野村萬斎。のぼう様の役はこの人しかいませんね。軽快なコミカルな場面が実にうまくてのぼう様のひょうひょうとした雰囲気が溢れ出ていました。時折見せるきりりとした表情もまた良し。水攻め後の船上の田楽踊りのシーンはまさに圧巻の舞です。

長親の三家臣もはまり役でした。
正木丹波守利英役の佐藤浩一は原作のイメージ通りでホントしびれます。長親の良き理解者であり、戦ではまさに漆黒の魔人。馬を疾駆させて皆朱の槍での山田帯刀との一騎打ちは震えがくるくらいカッコいい。
丹波のライバルの柴崎和泉守役のぐっさんも装束はバイキングのようでもありますが、クワッと見開いた目力すご過ぎで長野口で並み居る大谷軍勢を一人で押し返すシーン最高です。
若き武者、酒巻靭負役の成宮寛貴もまさに美しい若侍っぷりでイメージ通りイイとは思ったのですが、残念なことに守り口が原作と変わってしまった設定のために、靭負の戦略の巧みさや初陣の若侍を勝たせてやろうとする老兵たちのやりとりがなかったのが残念でした。
原作にあったシーンほしかったなぁ。「じぃ様がた、打って出ますよ」ってやつ。

大丈夫かいなと思っていた甲斐姫役の榮倉奈々は豪気な姫という感じがよく出ていてよかったです。

そしてのぼう様を慕う農民達がこれがいいんですわ。
領地の下忍村の領民の人々の姿がいきいきとしていて、戦の始まる前の麦踏の場面など歌と踊りを交えて見ていても楽しい。そんな下忍村をまとめる乙名のたへえを演じてる前田吟が最高にイイ。見事な農民っぷりにしびれますw
籠城を決めて戦に向かう姿がこれがかっこいいんですわ。まさに農民パワー。
領民たちは不器用なのぼう様が大好きなんですねぇ。だから戦をするのを決めたのは誰かと聞いたときに長親だと知ると大笑い。一致団結して「のぼう様がいうなら俺たちは守ってやんなきゃなんねぇ」と老若男女すべてが加勢するんです。
500の兵、農民という忍軍の小さい力が2万の巨大な石田軍に立ち向かう潔さがかっこいいのです。
この映画は武将とともに地に生きる農民たちもまた主役なのです。

石田軍は秀吉役の市村正親の圧倒的なド迫力さも良かったし、石田三成役の上地雄輔甲斐姫同様心配だったのですがなかなか良かったです。個人的には大谷吉継役の山田孝之長束正家役の平岳大の二人が無骨な武将、計略家の武将と対照的な役柄をピタリと演じていてとても良かったです。3人の中でも長束正家役の平岳大の上から目線の物言い、気取った所作。どれも嫌ぁーな感じなんだけれど何故かジェントルマンに見える素敵な憎まれ役。とてもしびれましたねぇ。

そうそう、見に行く当日のTBSラジオピエール瀧が出ていてこの作品に出演していると聞いたのでどこで出ているだろう探してみたら見つけられました♪
瀧さんはどこに出ているでしょうかw答えは劇場にてww

おまけ
映画を見た日に買いはぐったパンフレットを昨日購入してきました。
最近、パンフレットなんて買うことなかったので私にとっては珍しいことです。
 
 
出演者、監督たちのインタビューや完成までの道のり興味深い記事が多くて楽しめました。
パンフレットみたらもう一回見たくなりました。