秋の上野公園探訪、東京国立博物館 京都「洛中洛外図と障壁画の美」

今年も後2ヶ月を切った11月初旬の昨日、上野公園に行ってきました。紅葉がちらほら見えますねぇ。秋の空が高く青い空がまぶしいです。

時間は朝の8時半ですがたくさんの散歩する人たちがいました。
上野東照宮はまだ開門前でしたが本殿が見えました。修復工事が大分終わってきたみたいですね。

上野動物園を歩いていたらキレイな猫の人発見。早朝からいいことありそうです。

さて目指すは東京国立博物館へ。
9時過ぎですがすでにたくさんの人・人・人

9時半になったので平成館へ向かいます。

今回の企画展は待ちに待った京都「洛中洛外図と障壁画の美」です。
http://www.ntv.co.jp/kyoto2013/exhibition/02.html

音声ガイドを借りて早速会場に入ると・・・。
大きなスクリーンに洛中洛外図の画像が!第一部 都の姿---黄金の洛中洛外図のはじまりです。

人をかき分け更に進むと、7品の洛中洛外図の見事な屏風絵がそこにありました。
洛中洛外図は室町から江戸時代までのもの。
中でも見たかったのはやっぱりアレ。
舟木本と呼ばれる17世紀に描かれた岩佐又兵衛作の洛中洛外図です。

大きな屏風に描かれた京の町のたくさんの人々。その一人ひとりに動きと表情があります。
群像の押し寄せる迫力はまさに圧巻です。

来場者の人だかりでなかなか近くに寄れないのですが、少し離れてみるとこれまた大迫力でスゴイ。黄金色の輝く背景の京の都はまさに黄金の国、ジパング





描かれている人たちはみなとても楽しそう。岩佐又兵衛の絵のすごさはこの人々の描写ですね。
他の作品も時代により権力の象徴の建築物や人物を配して描かれていて見比べをしながらの鑑賞でとても面白かったです。

洛中洛外図の動の迫力に押し出されるように次に進むとそこは静寂の世界。
第二部、 都の空間装飾—障壁画の美です。
一つ目は王権の象徴、京都御所の障壁画が展示されていました。
京都御所の紫宸殿の障壁画の数々に息をのまれました。
狩野孝信筆による聖賢人障子絵はふすまの一枚一枚に賢人が描かれています。

昨年の冬に京都御所の見学に行きましたが、もちろん見学は外からのみ。紫宸殿に至っては門の外から遠く遠くの見学。まさか障壁画が見られるとは思いませんでした。

障壁画の数々は天皇の座に相応しい気品と気高さが漂っておりました。

二つ目は仏法の象徴、石庭で有名な龍安寺の実物大の大きさの巨大スクリーンの映像からはじまりました。。
石庭の春夏秋冬のうつろいの様を臨場感たっぷりに堪能できます。

そして、障壁画は今回、アメリカのメトロポリタン美術館より里帰りしてきた名品です。

最後の三つ目は公儀の象徴、二条城の障壁画です。
二条城にも4年前に訪れていますが、実際の場内に設置されている障壁画はレプリカです。なので実際に行っても見られない本物の障壁画とのご対面には大感激でした。

徳川幕府の権力の象徴としての確固たる圧倒さで迫る二条城の障壁画。
狩野派の、狩野探幽をはじめとする当代一の絵師たちが描く障壁画は見事です。


修復もされていて往時の牽制を誇った時代に遡るかのような威厳を放っておりました。
展示も黒書院の配置にこだわって臨場感にあふれていました。

桜などの花鳥が見事でしたが、一番圧倒されたのはやっぱり松鷹図。
襖から飛び出るかのような太い松に大きな大きなにらみを利かせた眼光鋭い鷹。徳川将軍に見立てた鷹は見事過ぎでした。

屏風絵に障壁画という展示の他はないという点数からしたら20組の展示なのでじっくりと見ることができて堪能しました。

展示を終わって図録を購入したのですがこれがまた豪華でビックリ。

箱に入っていてハードカバーの表紙。更に7作品の洛中洛外図の図版のおまけつきというもの。これは買いです。

そして、来れなかった相方のお土産には立体洛中洛外図。

なかなか良いものを見つけました。

企画展があまりに素晴らしいので今回は常設展はといいますと実はスゴイ展示をしていたんです。
1階の近代美術絵画のコーナーのガラスケースにありました。
幕末の絵師、月岡芳年と落合芳幾の競作「英名二十八衆句」。歌舞伎の一場面からとりわけ残虐な一場面を切り取った作品です。今回は笠森お仙、天日坊や鬼人お松など12作品が展示されていました。
血みどろ絵で名をはした月岡芳年の名に相応しい描写がそこにありました。



落合芳幾も負けていません。


残酷絵と言われていますが実際に見るととても繊細な線に大胆な構図に美しい色なんですよね。これはじっと見ていると魂抜かれそうな不思議な魅力がありますね。