栃木市の福正寺にて踊躍念仏披露を拝見してきました
昨日の11月23日、勤労感謝の日、栃木市の浄土宗のお寺、福正寺さんへお邪魔してききました。埼玉県狭山市から栃木市西方町までは約100キロ。道中の山間の道では紅葉が目に飛び込んできます。紅葉の山々、晴天の冬空はどこまでも青くてこの時期ならではの最高の景色です。
3時間弱のドライブで栃木市西方町にある福正寺さんに到着しました。
本日は今年で6回目の披露となる踊躍念仏披露を拝見しにやってきました。
平成20年から拝見しに来ているのですが、昨年は仕事で来れなかったので今回、2年ぶりにお邪魔できました。過去4回分の様子は下記のリンクでご覧ください。
平成20年の披露の様子
2008-11-24 - monksiiru(もんくしーる)の日記
平成21年の披露の様子
2009-11-24 - monksiiru(もんくしーる)の日記
平成22年の披露の様子
2010-11-25 - monksiiru(もんくしーる)の日記
平成23年の披露の様子
2011-11-24 - monksiiru(もんくしーる)の日記
動画はこちら
2011-11-26 - monksiiru(もんくしーる)の日記
午後2時から法要がはじまりました。
法要が終わった後に僧侶の皆さんが踊躍念仏の装束を整えて、披露が始まります。
導師がはじめに念仏を唱え首からかけた鉦(しょう)を鳴らします。残りの僧侶たちがそのあとに続きます。
静かな動きからはじまり、やがて回りだします。
中盤になると更に動きが激しくなり、
まるで打ち鳴らすかのような鉦(しょう)の音色とリズミカルな念仏が重なり合い、心地よい不思議なハーモニーとなってダイナミックに本堂に響き渡ります。
そしてまた静かな動きに戻り、披露が終了しました。
時間は30分ほどですが、2キロもある鉦(しょう)を一定の高さに持ち続け、念仏を唱えるというのは修行とはいえ大変なことですね。
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御前に掲げてあった一向上人のお顔も笑顔に見えました。
この絵の装束をよく見てみると本日の披露の装束が全く同じなんですね。
まさに現代に蘇った踊躍念仏ですね。
披露が終わったあとの住職のお話の中で、洛中洛外図に踊躍念仏が描かれているという話があったので、家に帰ってから先日行ったばかりの東京国立博物館の特別展京都で購入してきた図録をみてみると・・・
洛中洛外図の現存最古のものと言われる歴博甲本の上京隻の左端下です↓
これは庶民たちが踊る念仏踊の様子ですね。
その少し左側の街並みの家の前に二人の僧がいます。
なんと首から鉦をぶらさげているんです。
描かれたのは室町時代。この時代の僧たちの様子が良くわかりますね。
そしてこちらは洛中洛外図の最高傑作と言われる江戸時代に描かれた岩佐又兵衛作の舟木本です。
1615年頃の京の姿と言われています。
左隻の左から2枚目上部に三条大橋と六角堂の間のにある往来の群衆は祇園祭行列のようです。
橋の上の人物に注目してみると・・・・
全力で走る僧の姿が。祇園祭の山車見物に急いでいるのでしょうか?
そしてその手元には鉦もしっかりと描かれているではないですか!
岩佐又兵衛にかかると本当に人物が生き生きとしていて躍動感がありますね。
洛中洛外図にも踊躍念仏の姿を見ることが出来るのはとても興味深いものです。
今年も良いものを見せていただきました。
これからも後世に伝えるために踊躍念仏披露を続けて行ってほしいです。