怪談徒然草

東京伝説とともにセブン&ワイで取り寄せをしたのがこの本です。
何気にそのほかのお勧めラインナップ見ていたら見つかってラッキーでした。
ちょっと前にもハードの本をここで紹介したのですが、絶版になっているらしくて手元にもなかったので文庫化が今年されたと知って買いました。

怪談徒然草 (角川ホラー文庫)

怪談徒然草 (角川ホラー文庫)

何回読んでもこの本は怖いです。うんホントにこわい。語り口調が軽いのが余計に怖さ倍増させています。
比較検討ではないですが、東京伝説は人の狂気の恐怖であるならばこちらは「既にこの世のものでない人達」や「神様の恐怖、祟り」がメインになっております。<罰当たり>っていう言葉が頭にどかんと浮かびます。

平家がまだピチピチしていて、とてもよろしゅうございました」と壇ノ浦での旅行を語る加門七海が、体験した本当にあった怖い話。中国旅行中に重慶の旅館で出会った死神。無理やり造りを変えてしまったために、氏子が次々と死んでしまった神社。付き合う男性が全員死んでしまった絶世の美女。そしていまだに続いているという東京都慰霊堂と三角屋敷を巡る話(完全封印版)などありとあらゆる体験を語った「怪談本」の決定版
(アマゾンBOOKデータベースより引用)

加門さんは伝記ホラー小説を書く方なんで、全国各地の神社仏閣の神様、仏様への感心も高くまた詳しくて取材に現地にまで行くので人よりも怖い体験が多いのかもしれません。<見える人>でもあるらしい(でも御払いとかは出来ないっていうのは大変ですねー)のでやはり呼ばれて行っているのかもしれませんね。

第一夜から第四夜まで加門さんが語った話を口述筆記したという形になっていて子供の頃の怖い話や自殺が続く町工場の話、骨董品の話、神様を祭るの間違えてしまって神主と九人の氏子が犠牲になった神社の話などなど、一つのエピソードでも十分読み応えがあります。神社のご神体をむやみにいじくってしまうと祟りはあるのかもしれません。元々意味があってそこに建っているのだから古より守られたしきたりや祭りなどは絶やしたりしてはいけないのでしょうね。

そんな話の中でも特に怖かったのは旅先の旅館の恐怖の話ですね。
古びた旅館に出る怪っていうのなんですが、旅館変えてもおっかけてくるという・・・・。加門さん本当に好かれているなーと。
古びた旅館って私も以前泊まったことがあるんですが、雰囲気がなんとなく変だというところたまにあるんですよね。「??」ということがあります。

そして、この本のメーンと言えば有名な三角マンションこと
<三角屋敷を巡る話>
これはあやかし好きな人は是非読んでください。
家相なんかの話がからんでくるんですが、三角地に建っているマンションの住民をいけにえにして何かを育てているという話です。
自分の住んでいる部屋、マンションやアパートがもしそんな呪術のために作られていて、そして自分がその呪術のためのいけにえだとしたら・・・?
怖いですよねー。

家相的に言えば三角地というのはあまりよろしくはないんですが・・・。
一番怖いといえばこの三角マンションは今も存在しているということでしょうね。ちょっと荒俣宏の「帝都物語」みたいな展開を期待してしまうのは不謹慎ですね。ゴメンナサイ。

女性の怪談を書く人っていうのはあまり多くないので他の怪談本とは雰囲気が異なり多少おふざけもありますが、淡々と怖い話が続き趣があってほんのりと怖くて後でぞーっとする感じです。ついでに神社のことやお寺のことなどや家相も少し学べます。加門さんのフィールドワークは凄いですよ。

最後に第六感っていうのは信じたほうがいいってことですね。ヤバいかなーと思うときって大抵ヤバいです。
それと物事が上手くいくときって水が流れるみたいにすっと話が進みますが、
まれに意味不明のアクシデントやら妨害、邪魔が入ることってありますよね。
これは何かからの言葉ではないメッセージなのかもしれません。
加門さんは偶然かもしれませんがそんな第六感で飛行機事故、列車事故から免れているらしいです。

思い返せば・・・・私も結構そんな虫の知らせやら第六感というのは経験がありますので物事全てには意味があるということで魂のアンテナは敏感にしていたほうがよいのかもしれません。

この本を読み始めたらつい夜中になってしまったのですが、真夜中に部屋がやたらばっちんばっちんと「家鳴り」して参りました。家の中から聞こえるんですが正体不明。あくまでも音だけなんですがね、ちと怖かったです。