スウィーニー・トッド

奇才ティム・バートン監督とジョニー・デップの最新作です。
公式HP
http://wwws.warnerbros.co.jp/sweeneytodd/

ミュージカル映画が原案になっていますので出演者たちが歌います。大丈夫なんだろうか?と心配していたのですが、全然大丈夫。ジョニー・デップはじめ出演者が見事に歌っていますが全く違和感なく楽しめました。
映画全体に漂う暗いトーンのイギリスの町並みも美しくて楽しめます。私はスリーピー・ホロウの世界観がとても好きなのでそんなどこか不安感を感じる画面構成はティムバートンならでは映像美で楽しめました。
主人公のジョニー・デップ演じる理容師のスウィーニー・トッドが無実の罪を着せられ妻と娘を奪った判事に復讐をするという展開で理容師の命、カミソリで何人も来店してきたお客ののど笛をスッとかき切り血が飛び散る残酷描写が繰り広げられます。前編に渡る暗いモノクロのトーンの画面の中で赤い血の色だけが鮮やかな色で映えていて強烈な視覚効果を生み出していました。
画面で繰り広げられる殺人事件の手際の良さに客席からは小さな「ヒッ」という叫び声が殺人が行われるたびに聞こえました。(前の席の女性が出していたみたいです)。そんなわけ残酷シーンから今回の作品はR-15指定がかかっています。そういえばスリーピー・ホロウもやたら首切りが多かったっけ。

ただ、この残酷シーンだけが記憶に残るというわけではありません。ジョニー・デップの目の演技はいつにも増して素晴らしいです。トッドに思いを寄せるミセス・ラベット(ヘレナ・ボナム=カーター)もゴシック調のウエストを絞ったドレスもハマっていてとても素敵です。そして今回の悪役はターピン判事役はなんとハリー・ポッターのスネイプ先生!(アラン・リックマン)先生の悪党ぶりも歌も最高でした。ずっと見ていて引き込まれるストーリー展開で最後にはアッと驚く結末になります。そして、その結末は切なくもあり、この結末は永久の愛が成就されたのかなぁと感じ思わず涙してしまいました。

公開中なので詳しいことは書けませんが血が大丈夫な人は映画館に見に行ってくださいね。ホント、オススメです。血の出具合を例えるならば先日見に行った錦絵の月岡芳年の描く血みどろ絵くらいはありますが感動もそれ以上です。そして、映画を見終わると宣伝用のキャッチコピー「いらっしゃい、そして永遠にさようなら」の意味がわかりなんという名文句だろうかと思うこと請け合いです。
この映画は真相はさだかではありませんが18世紀のイギリスであった猟奇殺人事件がもとになっているのだそうです。
殺人博物館 スウィーニー・トッド
http://www5b.biglobe.ne.jFp/~madison/murder/text2/todd.html
スウィーニー・トッド切り裂きジャックと並ぶ殺人鬼として有名です。
そういえば、ジョニー・デップって。切り裂きジャック事件をめぐる話「フロム・ヘル」に出演してましたね。