河童のクゥと夏休み

三年前に遠野に訪れたときに、遠野市がタイアップをしていて、いろんな場所でポスターを見かけました。そんな懐かしい映画です。

河童のクゥと夏休み 【通常版】 [DVD]

河童のクゥと夏休み 【通常版】 [DVD]

東京郊外のニュータウン東久留米市が舞台)に家族で住む、小学生の康一が近くの川で見つけた大きな石の中身はナント300年前の地震により眠っていた河童の子供。
クゥと名づけて康一の家で飼うことになり、そのことにより起こる数々のエピソードを描いています。
作画は背景がとても丁寧に描かれています。風景画のような感じでキレイです。
主役のクゥもとても愛らしくとても可愛いです。

クゥを通して環境破壊や人間のエゴなどのメッセージを伝えている作品です。
とても良い内容だと思ったのですが、映画の中で伝えたいメッセージがたくさんありすぎて、エピソードも多すぎて途中、中だるみなってしまい見ていて疲れてしまうところもありました。結構、残酷な描写(クゥの父ちゃんが切り殺されるシーン)などもあって小さい子供が見るのに良いのだろうか?と思うシーンもあります。
環境破壊、いじめ、マスコミの情報過熱など社会性の強いメッセージを伝えるという意味ではこれは子供がみるアニメというよりも大人が見るアニメなのかもしれませんね。
願わくば(あくまでも願わくばですが)もっと楽しい映画(河童と人間の交流)を原作のようにしてほしかったような気がします。そこが残念ですね。
と辛口のこといろいろ書いていますが、クゥのあまりの可愛さに結構ラストのハッピーエンドは泣いてしまったのでした。

原作は小暮正夫さんの「かっぱ大さわぎ」「かっぱびっくり旅」です。
図書館に行ったら
「かっぱおおさわぎ」は1978年の児童書画見つかったので読んでみました。
映画公開後に「かっぱおおさわぎ」と「かっぱびっくり旅」は「河童のクゥと夏休み」としてまとめて収録された本にもなっています。

河童のクゥと夏休み

河童のクゥと夏休み

「クゥと河童大王」という続編もありクゥの物語、三部作になっています。
[rakuten:book:12812593:detail]
河童のクゥと夏休み」と「クゥと河童大王」の挿絵は息子さんである、こぐれけんじろうさんが描いて、とても愛らしいクゥに出会えます。
せっかくなので三部作を全て読んでみましたが、本当に面白い!
原作を読むときには三部作を全て詠むことをおススメします。

作者の小暮さんは群馬県高崎市出身だそうで、康一君の住まいは群馬県の架空の町、ヒガチタチバナ市という設定になっています。
そういえば、高崎には今は無き「カッパピア」がありましたっけ。
群馬県にも桐生市を流れる桐生川などに河童伝説があるそうです。
http://kappauv.com/sub3/sub30602.html

児童文学と言うこともあってわかりやすい物語構成になっており、最後まで楽しく読めました。私は原作の終わりかたが夢があって好きですねぇ。