東京洞窟厳選100

山の斜面や崖に穴が開いているとつい覗き込んでしまう。そんなわけで洞窟を見るとなぜか入りたくなってしまいます。
人間の最初の住みかは洞窟だったそうだし、そんな穴の中のぽかーんとした真っ暗な空間は人を惹きつけてしまう魔力をもっているらしい。
真っ暗な洞窟のブラックホールはどうも私たちの住んでいる場所の近くにも案外とあるらしいですよ。洞窟と言っても自然物、人工物たくさんあるわけですが日常の風景に溶け込んでそこだけぽっかりと穴があるのはなんだか楽しいなぁと思ってしまうのです。
東京近辺にもたくさんの洞窟があるそーな。
そんな数ある洞窟を100個紹介した本があったので読んでみました。

東京洞窟厳選100――穴があったら入りたい! 「地底の別世界」

東京洞窟厳選100――穴があったら入りたい! 「地底の別世界」

著者の中野純さんを私が知ったのは確か、月刊誌の「散歩の達人」でいろんな場所にある閻魔堂の奪衣婆を紹介していたコラムを読んだことがきっかけでした。閻魔様ではなくて奪衣婆を探訪してゆくセンスに感激してファンになってしまったのです。
そんな中野さん目のつけ所が素敵で闇を歩くナイトハイクなどもしておられるそーな。
そんな多彩なフィールドワークのひとつがこの洞窟巡りなんだそーです。

自然洞窟だと大きな鍾乳洞などがありこちらはまさに地底探検。しかし小さな洞窟もまた味わいがあってみのがせません。
人口洞窟だと古代の墳墓、そして鎌倉時代のやぐらなどなどがあります。
霊場にするために掘りあげた洞窟にもなり、戦時下に作られた軍需工場のための地下壕など。
自然洞窟、人工洞窟をお堂として観音様などを祭ることや神社として稲荷様など祭っているところも案外とたくさんあります。
まぁなんと洞窟というのは利用価値が高いものなんでしょうか。

そんな洞窟紹介がたくさんあって行きたい場所がまた増えてしまいました。
洞窟、穴といえば、埼玉県吉見町も紹介されています。
吉見百穴の横穴墳墓に軍需工場跡、岩室観音、岩窟ホテル。
これだけいろんな時代の人口洞窟がそろっている場所も珍しいですよね。

サブタイトルの「穴があったら入りたい」
まさしくその通りで洞窟が益々好きになりました。