幻燈の世界へ「銀河鉄道の夜」

先日やっと見つけました。
以前にブログでも紹介したますむらワールドのお話です。
ますむらひろし 宮澤賢治童話作品集 - monksiiru(もんくしーる)の日記
昨年、漫画で読んでどうしても映画版が見たいと思っていたらTUTAYAにて発見しました。

銀河鉄道の夜 [DVD]

銀河鉄道の夜 [DVD]

公開されたのは1985年で、たしかテレビでもさかんにCMが流れていましたっけ。
主人公のジョバンニが泣きながら「カムパネルラー!」と叫ぶシーンが忘れられません。

早速、見てみるとやはり内容が素晴らしくて最後は泣けてしまいました。
原作の童話も何度も読んで、漫画も読んで結末は知っているのだけれど引き込まれてゆきました。薄暗い幻燈を灯してみるような映像の素晴らしさもさることながら、音楽がこれまたイイ。細野晴臣氏が作る幻想的な音楽が心地よいのですね。
そして、賛美歌。銀河鉄道の行く先は天上界への道でもあるので、天に召されてゆくという描写がそこかしこにちりばめられています。その象徴としての賛美歌が非常に印象深く残ります。

当初、この映画を作るにあたってキャラクターが猫であることに宮沢賢治の身内の方が難色を示したそうですが、後に了承を得たとういうエピソードがあるそうですね。
たしかに、ますむらひろしの描く猫たちは余りにも印象が強くて実に人間くさいです。原作のキャラクター像が猫だったのかと思わせるような風があるのかも知れませんが、逆に顔が姿が猫だから人間のキャラクターで作られるような先入観が無く見られたような気が私はしました。


銀河鉄道の夜関連でちょっと調べものをしていたら、なんとあの「グスコーブドリの伝記」も本作品の杉井ギサブロー監督、ますむらひろしの猫キャラで作られる予定があったことを知りました。しかし・・・昨年のグループ・タックの倒産によって未定になってしまっているとか。非常に残念です。
是非、何とか公開をして欲しいですね。だって、あんな素晴らしい原作がまた映像になって蘇るなんてわくわくしてくるじゃないですか。