澁澤龍彦が眠る寺、浄智寺

北鎌倉から鎌倉街道を鎌倉方面に歩いていくと踏切が見えます。その踏切の手前にあるお寺が浄智寺です。
今年の4月に澁澤龍彦幻想美術展を拝見しました。澁澤龍彦 幻想美術館 - monksiiru(もんくしーる)の日記
その影響で澁澤龍彦の関連書籍を読み漁り、話題の中でも澁澤龍彦の名前がかなり出ていました。そんな中でとある方から澁澤の墓所が鎌倉だと聞きネットで調べてみたら浄智寺と判明。是非、墓前に参りたいと思いここまでやってきたというわけです。

山門のある入り口は階段や石が苔むしていてなんともいえない雰囲気です。
入り口、拝観料200円、受付の方に澁澤龍彦さんのお墓参りに来ましたというと丁寧に地図を書いてくださいました。しかし、この方向音痴な私はボケて教えてもらった道がわからずにもう一回説明をしていただくことに・・・ホント、手間のかかる奴なのです(苦笑)

本堂の曇華殿(どんげでん) 木像三世仏座像が安置されています。
 
本堂の裏に廻ると墓地が見えます。左手の細い階段を上がっていき、途中で分岐した階段を上がって左手側の列の一画が澁澤家の墓所でした。
 
こじんまりとしたさっぱりとした風情のお墓です。


本名ではなくてペンネームの澁澤龍彦のまま眠っているところも粋ですね。あぁこれは実に澁澤龍彦らしいと思いました。無駄なものがなくて自由に生きた人だったんだなぁというのがよくわかります。
私の本を読むことの、絵を見ることの原動力で多大な影響を受けた作家です。手を合わせてしばし、墓所の前にたたずんでしまいました。
1986年、昭和62年に眠りついた澁澤がもしまだ生きていて今の日本を見たらどう思うのでしょうか。
静かな、静かな時間がここには流れています。
そんなことを考えながら境内を散策しました。
浄智寺にはやぐらもありました。

横穴の井戸

布袋様 おなかをなでると元気が出るそうです。

調度、小雨も降ってきていたのですがここは雨がとても似合う寺です。少し霧もかかるようで幻想的な雰囲気になります。アジサイが9月だというのにつぼみをつけていました。