田谷の洞窟

大船近くに洞窟があると教えてもらったので行ってきました。
バスが大船観音の駅近くから出ているのでバスに乗り込み10分ほど行き着いたのが「田谷の洞窟」です。

手前に大船ラドン温泉があってそのすぐ隣にあります。しかし、看板の配色といい字体といい、大きさが二つとも似ているので一瞬ラドン温泉内にあるのかと思ってしまいました。
バス停も洞窟・ラドン温泉とコラボされているので意図的でしょうか?

入り口

本堂 

定泉寺という真言宗のお寺の境内に洞窟はあります。
真言宗ということでスーパースター弘法大師様です。

実は午前中に父方のお墓参りに行ってきてまして、そこも同じく真言宗。なんと言う偶然でしょうか。呼ばれてきましたか?

受付入り口で拝観料400円を支払うと入場券とろうそくをもらえます。では洞窟入り口にてろうそくを燭台にセット。結構長い燭台です。そして注意書きを見ると・・・室内写真撮影禁止ということなので洞窟入り口までです。
 

それでは中へ。
入場券に書いてあった洞窟の由来
「くわしくは田谷山瑜伽洞(ゆがどう)と称し、もと鶴ヶ丘廿五坊の修験道場である。鎌倉時代初期開創と伝えられ、江戸時代に至るまで適時拡張されて上下三段、延長一粁(キロ)余りの壮大な規模となった。そして本尊弘法大師をはじめ四国、西国、秩父、坂東各札所、両界曼荼羅諸尊、十八羅漢等、数百体のみ仏今も無言の説法を続けている。
地質は粘板岩の巨大な一枚岩で幾度かの大地震にも見事に耐えている。」

洞窟に入ると入り口にお灯明がともっています。ここで先ほどの燭台に火を移して灯りにします。中はひんやりとしていて外気温よりもかなり低く肌寒いくらいです。風が吹いてきているのでろうそくが消えそうになるのでゆっくりゆっくり歩きました。一応、念のため私は懐中電灯を持っていっていたのですがこれが役立ってしまった。やっぱり何回かろうそく消えるんです。途中の仏様に灯明がともっているので貰えばいいのですが見たい奥の洞窟の奥なんかが見えないこともありましたから。
ちなみに中は人が通れるくらいの広さがあるので頭をぶつけたりとかそういう心配はまったくありませんでした。ライトもついているのでそんなに真っ暗ということはなかったです。

しかし、凄いなぁと見学をしていて何度も感嘆としてしまいました。洞窟の天井、壁面にノミで削った仏様や細工がいたるところにびっしりあるのです。修行中の僧が彫ったのか、どのくらいの期間で彫ったのか、これを作るエナジーはどこから湧き上がったのだろうかと興味は尽きません。なんだか岩窟ホテルみたい・・・。
入場券に書いてあった西国、秩父の観音像はドーム状に彫り上げた洞窟の壁面に掘り込まれていましたし、滝があったり、大きな不動明王などの明王像が彫られている場所があったりとどこを見ても細工がありました。

隣のラドン温泉は大盛況ですが、ここの洞窟内では私だけの貸切です。他には誰も見学者来ませんでした。なのに水の音が共鳴したり、行き止まりがあったりしてたまに誰かいますか?という気配を感じてしまうのですね。そして、奥に行けばゆくほど冷気も強くなります。
気持ちの中でも変化が出て四国、西国、坂東、秩父の観音様を巡っているというまさに胎内めぐりのような気持ちになっていました。しかし、ご利益満載ですよね。弘法大師様とともに四国八十八、西国三十三、坂東三十三、秩父三十四の計百八十ヶ所のバーチャル霊場体験が出来てしまいますから。

そんなことを考えながら25分くらいかかってようやく出口が見えました。洞窟の中のひんやり感とはうって変わって出てきたら外は非常に蒸し暑かったです。

洞窟内は水の音と自分の靴の音だけの静寂の空間です。
なんだかこの空間がとても気に入ってしまってまた来てみたいなと思いました。
隣のラドン温泉にも立ち寄って。

修験道場になる以前は元々古代人の横穴式住居や古墳だったとも言われています。