三角マンションの恐怖再び

いつも利用している市立図書館が来週から一週間お休みになります。年4回ほど本の定期点検なんですが、本の書き込みや切抜きなどの破損と合わせてかなりの本が行方不明になってしまっているそうです。
そんな行方不明の一冊の本を今回は連携サービスによって吉川市立図書館から取り寄せをしてもらいました。みつかって良かったぁ。

日本怪奇幻想紀行 (6之巻) 奇っ怪建築見聞

日本怪奇幻想紀行 (6之巻) 奇っ怪建築見聞

大好きな日本怪奇幻想紀行の最終巻なのです。

何故探し回ったというと有名な三角マンションの話が掲載されているから。以前、このブログでも紹介した2006-06-16 - monksiiru(もんくしーる)の日記加門七海さんが友人としての立場から書いた「怪談徒然草」はあまりにも有名なんですが 、こちらは実際に住んでいた、霜島ケイさん本人のお話で五章「実在する幽霊屋敷に住んで」というタイトルで掲載されています。

表紙にいきなり間取り図が無造作に載っているのですが、二等辺三角形頂点から半分はエレベータに残り半分の底辺の部分を居室として使用しているというデザイナーズマンションのようなちょっと変わった形の部屋です。えてして、こういう外形にこだわった部屋というのは住むものにとっては使いづらいものになるわけですね。
でもはじめから使えない手の届かない取っ手のない物入れなんかがあったりしたら・・・?これは何の意味のために作られたのでしょうか。
霜島さんの借りた三角マンションはご本人はあとから思い出して、ああそういえばこういうことがあったとかこんなことがあったと山ほどの謎やあやしげなことが出てきています。
まず・・・三年間一度も人が入居したことがなかった。
次に・・・家賃が相場よりも安い
という感じです。都内の駅近のマンションですよ。ホラ、もうなんかヘンでしょ。
でもこれは掘り出し物と思い、霜島さんは住むことにする。そうすると不思議な夢や怪しい物音が起りだします。

そして・・・加門さんに相談をしてという流れになるわけです。
加門さんはここではSさんという名前で登場。引越ししてきてすぐに霜島さんのお宅に招待されたのですが、三角マンションに足を踏み入れたら具合が悪くなってしまって、出された食事を駅で吐いたというくらいの悪気に以後、三角マンションには近づかないようにしていたらしいです。
ここから先の話は「怪談徒然草」でも紹介されているのですが、三角マンションは誰かが意図的に呪詛をこめるように設計をして住む人を生贄にしているという・・・・ちょっと背筋が寒くなるような展開なのです。霜島さんが見た夢にもそのことが暗示されていました。
角地にある三角形の家というのは昔から「凶宅」といわれてました。理想が四角ならば欠け地が出ますからよくないといわれていたと聞いたことがあります。
度重なる不思議な出来事に霜島さんは引越しを決意するのですが、こういうことってあるんだよなーっていうハプニングが起こります。予約をしていた引越業者がこないので当日電話をしたら予約は受けていないといわれて2日足止めを食らってしまう。
2日後になんとか引越しが出来て、作業終わったときに引越し屋さんが「前の家、何かありましたか?」と聞いてきた。引越し屋さんは詳しくは教えてくれないけれど長年の仕事での経験でこういうアクシデントがあるのは慣れていたよう。
不動産物件で確かに、ヘンな家というのはあります。でも霜島さんの住んでいた三角マンションクラスの壮大な呪詛なんか込めたオカルトマンションは体験したことのない私はついているのでしょうか?

霜島さんはなんとか無事に三角マンションから脱出が出来ましたが、大事な博多人形が身代わりになりました・・・。恐ろしい・・・・。

しかし、一番怖いのは今も三角マンションが都内のどこかにあって何も知らない人が住んでいるということではないでしょうか?
あなたの住んでいる家は大丈夫ですか?