お線香の香りが好き

昨日、テレビ東京の番組「カンブリアの宮殿」に毎日香、星雲などのお線香でおなじみの業界シェア50パーセントを誇る日本香堂の小仲会長が出演していました。保守的だった線香業界の第一号となったテレビコマーシャルも小仲会長のアイデアなのだとか。森田公一の歌う星雲の歌は星雲のパッケージとともに私たち世代には記憶に深く残っています。そして、桃屋ごはんですよと同じくらいの息の長い円楽師匠の語りの貞吉のアニメのコマーシャルも今も昔と変わらない良さと味があります。一時間弱の番組でしたがお線香ができるまでの映像など、お線香がますます好きになるような内容でした。
日本香道のHP http://www.nipponkodo.co.jp/fragrance/index.html


今日のオーディエンス(観客)は癒されたいサラリーマン、OL100人でした。お線香の香りは癒しというかリラックス効果があるのだとか。これは私も同感です。忙しい毎日の中でお線香の香りがすると脳みその緊張がときほぐされるような気持ちに切り替われます。

私は香水の匂いが苦手です。男女問わずなのですが、香水をつけている方と仕事をしたり車に乗ったりする機会があるときはかなり辛いです。もともとどうも鼻の粘膜が弱いらしいのですが、香り酔いというか車酔いのように三半規管が迷走をおこして気持ち悪くなるし、ひどいと鼻血が出てしまうことも・・・。
特に外国ブランドのむせるような甘い香りの香水は本来の自然界の花の香りとは違ってダメなんですね。甘い人工的な香りで窒息してしまいそうです。

お線香もいろんな香りがあるのですが、アジア雑貨店に売っているインドやや中国などののチープなのインセンスのお香も匂いがきつくて気持ち悪くなります。アジア雑貨店の香りというとインセンスの香りだと鼻が記憶してしまっています。雑貨はすきなのだけれど目にもしみるくらいの香りが苦しくなるお店も多々ありますね。

その点、日本のお線香って品質が高いので繊細でとても優しくてやわらかい良い香りがするのですよね。子供の頃からよく仏壇にお線香を上げていました。信心深い子だとほめられていたのですが実はお線香の匂いを絶やしたくなかったというが本音です。それくらい大好きだったので法事とかお葬式もお線香の香りに囲まれて幸せですからマタタビもらった猫のようにおとなしくしていたので大人からみると不思議な子供に見えたそうです。

今でも初夏の昼下がりにお線香を焚いて風通しの良い和室で昼寝するのが最高に気持ちいい時間なのです。お気に入りの香りはやはり白檀ですね。この香木のかぐわしい香りにならば窒息死してもいいと思ってしまうほどです。

建物でいえばお寺はもとより、古い年月のたった仏壇をしっかり守っているお宅にお邪魔すると私はすーっと気持ちよくなります。木造住宅にお線香が長年焚きこめられてられてきた年月が作った香りがするからなのです。

いい香りは人を幸せにさせてくれますよね。
香りの記憶・・・
番組でも調香師の方がおっしゃっていたのですが、香りの記憶というは視覚などほかの五感の感じた記憶と合わせて残っているのだそうです。香りだけの記憶だとちょっと印象が弱いのだとか。楽しかった場所とその香りとか、幸せだった時代のエピソードにまつわっている香り、好きな人とその香りなどなど場面とともに記憶されるというのは面白いですね。
私にとってのお線香の記憶の原点は祖母や祖父にかわいがってもらった思い出も一因としてあるのだろうと思います。