世田谷一家殺人事件の真実

世田谷一家殺害事件(せたがやいっかさつがいじけん)とは、

21世紀を目前に控えた2000年12月30日午後11時ごろから翌31日の未明にかけて、東京都世田谷区上祖師谷3丁目の会社員宅で、長女(当時8歳)や長男(当時6歳)を含む一家4人が惨殺された事件、または当該事件の一般的な呼称。隣に住む義母(母親の実母)が、31日の午前10時55分ごろ発見したが、犯人は既に逃走していた。
現場には犯人の血痕や指紋、靴の跡(足跡)のほかに、多数の遺留品も残されていたが、現在も捜査は難航している。

4人の命を奪った史上まれに見る凶悪殺事件で連日ニュースが報道されたので非常に記憶に残っています。しかし、あれからもう7年もたったのかと月日のたつことの早さに驚いてしまいました。そして7年たった今も犯人はまだ逮捕されていません。
そんなこともあって何人かのジャーナリストたちが見えない犯人を追い求めてルポルタージュしているのですが一番新しい2007年3月に出版された本を読んでみました。

世田谷一家殺人事件の真実

世田谷一家殺人事件の真実

最終的な犯人については警察発表からのものが主体で詳しくは言及されていませんが、事件概要などが実に生々しく記載さていて忘れかけていたニュースなどメディアで見聞きした事件詳細を思い出すことができました。
犯行当時にはいていたという遺留品から割り出した靴や返り血を浴びて脱ぎ捨てたトレーナーなどの写真付きになっています。
そして、この本を読み一家を惨殺した手口の残忍極まりなさを改めて知り、犯人には人としての心がないのかとさえ思ったほどです。殺人を実行してからの奇妙な行動といい、謎の遺留品といいどうも犯人の人物像がいまひとつ浮かんでこないというは何故なのか?こんなことをする人間はいないだろうという常識という壁による推理の鈍りであり、遺留品などが多かったというのにそんな常識観念が未だに未解決となっている一因なのかもしれません。
といっても確かに、犯行現場の様子を読んでいても理解しがたい行動が非常に多い犯人なのですね。
4人の人間が死んでいる血の海の室内でアイスを手づかみで搾り出して四個食べたり、ネットサーフィーンをしてみたり、バスタブに書類を切り刻んでみたりしかもその横のトイレで排泄までするという肝の据わりよう?もうどんな人間なのか全くわかりません。
この事件は遺族の方が懸賞金をかけて犯人の情報提供を呼びかけているそうです。このまま迷宮入りしてしまうのでは被害者一家の方たちは無念極まりないと思います。
一日も早く犯人が逮捕されることを節に願います。
10年くらいまえに犯人が使ったと一事報道された京王線八幡山駅周辺に住んでいたことがあってどうも馴染みのある場所なのです。報道を見たときにああ近いなぁと漠然と思ったものでした。話がそれてしまいましたが、どうもこの本は先に出ている本の検証と批判も兼ねているらしいと読んでいて途中で気がつきました。

世田谷一家殺人事件―侵入者たちの告白

世田谷一家殺人事件―侵入者たちの告白

2000年12月30日深夜に発生した世田谷一家殺害事件。いったい誰が、何の目的であの残虐な事件を引き起こしたのか? 発生以来事件を追い続けた著者が、決定的証拠をもとに実行犯を特定した衝撃の一冊。

こちらは犯人像を外国人犯罪組織の三人組のによる犯行と推理(あくまでも推理)しているそうです。その矛盾点をかなりのページ数を割いて検証しています。確かに外国人三民組の犯行、闇の犯罪組織・・・というのは飛躍しているような気がします。そんなわけでどうもこの本を読まないと話がはじまらないようです。図書館にあったので借りてきました。早速、読んでみたのですが、なるほどねーそんな考えもあるのかという感じでどうもいまひとつのめりこめません。どうも事件から脱線しているような不思議な違和感で小説でも読んでいるような感じです。
なんだろうと思い出してみるとこの感覚は佐野真一氏の「東電OL殺人事件」を読んだときに感じたものと同じ違和感だったのですね。ジャーナリスト魂が前のめりにあふれ出てしまって本線から見事に脱線していくような感覚。共通点もしっかりあったので思わずうわぁって苦笑してしまいました。両者とも何故か坂口安吾の小説を引き合いに出しているのです。これはびっくりしました。なぜに坂口安吾?荒唐無稽なこの話が本当ならば・・・背筋が寒くなる話ですがさて真相は?という感じです。