伊豆半島旅行 その2 松崎町探訪、伊豆の長八美術館

西伊豆町から松崎町に到着しました。
松崎町はなまこ壁で有名な町です。
ここにあるのが伊豆の長八美術館。一度行ってみたいと思っていました。

以前にNHK教育の番組でこの美術館が紹介されていましたっけ。
入江長八は漆喰で巧みに鏝絵を描いた江戸時代の名工左官です。
その偉業にちなみ、この美術館は現代の左官職人が2200人集まって作ったという漆喰で飾られた美術館なのだそうです。
まさに白亜の美術館ですね。

建物の中も壁紙など無く全て漆喰で仕上げてありました。



展示作品は鏝絵で作られたものばかり。
浮き上がるような龍や風景画など緻密なものばかり。展示作品を見る時には虫眼鏡を借りてみます。小さな人もきちんと描かれているのに驚きます。
そしてこれが漆喰で出来ていてこてで仕上げてあるとは誰が思うでしょうか。
まさに職人の超絶技巧がそこに詰まっていました。

美術館見学の後は向かい側にある長八の菩提寺、浄感寺にある長八記念館に向かいます。
本堂が記念館になっています。

本堂に入ると係の方が説明をしてくれて、内陣にある大きな天井絵を拝見しました。
この八方にらみの龍がまた凄い。

そして、両脇の壁にある天女を描いた飛天の美しさは妖艶そのもの。
長八が描いた時代のように照明を消してもらって自然光で見せていただくと一層陰影が浮き上がってきて見事でした。

ここからは街歩きをしてきました。
松崎町といえば漆喰のなまこ壁ですね。いたるところになまこ壁の家が現存しています。




ここは中瀬邸、呉服屋さんだったそうです。こちらの蔵にも立派な鏝絵がありました。



観光協会もこんなモダンな感じです。

ここは有名ななまこ壁の通りです。


私が長八を知ったのは、つげ義春の「長八の宿」という作品です。モデルになった旅館の山光荘は今も営業しているのですが今回は時間の都合で見に行けませんでした残念。

時間は夕方3時半過ぎ、慌てて最後の見学場所、岩科学校に向かいます。
明治時代に作られた学校で昭和53年までは学校として使われていたとか。漆喰となまこ壁が美しい豪華な建物です。
 
 
 
入口には長八の作品、龍がいます。

中に入ると、人がいてびっくり。

ここは校長室、マネキンでした(笑)
当時の様子を再現しています。
こっちは授業風景。

 
 
2階にあがると千羽鶴が描かれている間があります。こちらも長八の作品。

見事な鶴たちが舞っています。一羽一羽全て違う姿になっているそうです。
 
 
夕暮れも近づいてきたので、本日の宿泊先である雲見温泉に向かいました。
そして途中の海岸線を走っていたときに見つけたもの。彫刻ラインという道だそうです。
夕陽の富士山です。
  
 
北斎の描くような美しい富士山が見えました。
                                 つづく