サロメと名言集

私はビアズリーが大好きなのでサロメの図版は穴が開くほど見ていたのですが、実は原作のオスカー・ワイルドの戯曲「サロメ」は読んでいませんでした。サロメの話は新約聖書の中に出てくる話が元でそちらは読んでいたのですけれども戯曲を読むというのが苦手だったのです。しかし、一度読んでみたいと思っていたので図書館にて捜索したら発見できて早速読んでみました。とても面白かったです。長いお話かと思っていたら短編なのだというのも今回知りました。戯曲なので登場人物のセリフの進行になっていくのですが、こんなにも臨場感があるものなのかと感動してしまいました。そして、その時、その時に出てくるビアズリーの挿絵がエロティックとグロテスクの怪しさを放っていました。

サロメと名言集

サロメと名言集

オスカーワイルドは実はこのビアズリーの絵に対して批判的だったといわれています。リケッツが書いた作品を気に入っていたといわれております。
ビアズリー亡き後にビアズリーよりもビアズリーらしいといわれたアラスターもサロメの挿絵を描いていますが、これもまたステキです。

また、ビアズリーの原画の展覧会をやってほしいなーと思います。

この本にはサロメの他にオスカーワイルドの名言集が収録されているのですが、退廃文学というイメージがあったオスカーワイルドですが、いえいえなかなか重みのある名言集ばかりです。作品からの抜粋なんですが、これも良かったです。
残念だったのは確かビアズリーこの名言集でも挿絵を入れていたはずなんです、北斎漫画の影響を受けたものなどやビアズリー版ろくろ首など見たかったですね。