江戸時代に妖怪は実在した!

あなたの家に30日間妖怪が昼夜とも出てあなたをおどかし続けたらどうしますか?そんな妖怪と格闘した話が江戸時代に実在しています。

時は、江戸時代中頃、寛永2年(1749)。備後の国三次(広島県北)、浅野藩士の子息、稲生平太郎(当時16才、後に武太夫と改名)は相撲取り・三井権八とともに、近くにある比熊山の古塚で百物語を試み肝試しをした。
これが原因で、平太郎の屋敷では7月1日から30日間の間、さまざまな妖怪の襲撃を受けることとなった。

しかし気丈な平太郎は少しもたじろぐことなく1ヶ月をすごし、最後の日、物怪の総大将山本五郎左衛門と名のる大男が、平太郎の勇気をたたえ、木槌を与えると、物怪たちのかつぐ駕篭に乗って雲中に消え去って行った。

これは物語の舞台となった広島県三次市の「みよし物怪まつり公式ホームページ」http://www.kinsai-e.com/mononoke/monogatari.htm
からの引用です。
「堀田本」の絵巻を見ることもできてすばらしいHPです。

見慣れた妖怪からなんじゃこりゃというような妖怪がオンパレードで出てきて稲生平太郎を脅かすのが見物です。でも平太郎はまったく動じないんですね。
そんなやり取りが絵巻になって残っているので妖怪の姿なども描かれているので楽しいです。

私がこの物語を知ったのはたしか10年以上まえの学研の「ムー」で巻頭で絵巻の特集が組まれていたのがはじめてだったと思います。
とても面白くて印象に残っていました。そして、その後に季刊「怪」(水木先生ファンってことでこの本も大好きです)で物語をすべて掲載されたことがあって原作を読んでみたいと思ったのでした。
そうして、図書館で探してみたらみつけました!↓の本の中に稲生物怪録が入っていて、絵巻もついていたので感動しました。

日本民俗文化資料集成 第8巻 妖怪

日本民俗文化資料集成 第8巻 妖怪

他には↓のような本も出ていて

稲生物怪録―平田篤胤が解く

稲生物怪録―平田篤胤が解く

稲生物怪録絵巻集成

稲生物怪録絵巻集成

尊敬してやまない日本のプリニウス妖怪を愛する荒俣さんの著書もありました。
さらにお子様向けにはこんなのも「ぼくは平太郎 稲生物怪録より」
ぼくはへいたろう―「稲生物怪録」より

ぼくはへいたろう―「稲生物怪録」より

元服前の男子のが妖怪と肝試しをして耐え抜いて、最後には妖怪の大将が敬服してみんな逃げ褒美に小槌をもらうという話は冒険物としての醍醐味もありますから児童書などでこういう形になると妖怪ファンとしてはうれしいですね。

上で紹介した三次市の物怪まつりは一度是非参加してみたいものです。
写真を見ていたら・・・水木御大、荒俣宏先生、、辻村ジュサブローさんのお姿が。さらに稲川淳二さんまでも・・・2001年にここで怪談ナイトやったそうです。http://www.m--m.jp/mononoke_explanation/explanation_29.htm

こりゃ、あやかしファンならいかねばですね。